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2015年09月03日14時45分

【特集】宇徳---原発再稼働の動き活発化し関心高まる


ラジオNIKKEI マーケットプレスの『フィスコ presents 注目企業分析』8月13日放送において、宇徳<9358>を取り上げている。主な内容は以下の通り。

注目ポイント
川内原発の再稼働に続き、今後も原発再稼働の動きが活発化していくと見られる。こうしたなか、本日(13日)は原発関連の材料株では代表格となる木村化工機が好決算を発表して急伸しており、他の原発関連銘柄への波及も想定されるところ。同社は、原発大型設備の輸送・据付に 実績があるほか、格納容器備え付けの核燃料輸送も手掛けており、過去にも原発関連銘柄に関心が高まる中で、物色された経緯がある。

会社概要
港湾荷役、ロジスティクス、プラント建設等「運ぶ」に関連する多様なサービスを様々なフィールドで提供している。事業業域は、港湾運送事業、海上運送事業、一般貨物自動車運送事業、貨物利用運送事業、倉庫業、通関業、建設業、不動産業をカバーする。2015 年3 月期の事業別構成比は、港湾事業が39%、プラント・物流事業が60%であった。

事業概況
港湾事業は、京浜港(東京、横浜、川崎)、千葉港、茨城港を中心に、コンテナ船・自動車専用船・在来船・RO/RO船・重量物船等各種本船荷役を行っている。また、商船三井を始め大手船会社より指定を受け、コンテナ・RO/RO船ターミナルオペレーションを行うとともに、船の手配から輸出入通関、指定場所配送までの一貫作業を提供している。

コンテナ船荷役は、1968 年、本格的な海上コンテナ輸送時代の到来に合わせて開始した。同分野のパイオニアであり、京浜港で代表的なコンテナターミナルオペレーターとして業界をリードしている。自動車専用船は国内自動車メーカーの国内生産回帰の動きがプラスとなる。

プラント・物流事業のうち、物流事業は、自社の倉庫や車輌、海外のネットワークを活かし、最適な輸送手段の選定からトータルコストセービングにいたるまで、顧客ニーズに対応したきめ細やかな複合一貫サービスを提案している。プラント事業では、長年の重量物輸送の経験と実績から、発電設備や石油精製・化学プラント建設における輸送据付等において設計・計画から施工管理まで安全・安心のサービスを提供している。

企業の特徴
同社の特色は、長期間にわたって培ってきた技術とノウハウによる重量物輸送や大型プラントの輸送と建設にある。港湾運送事業において広範囲に多様な形態のサービスを提供できる国内でも数少ない会社の1 つだが、重量物取扱いの技術を生かした重量物・長尺物の荷役や特殊機材を駆使したRO/RO 船のオペレーションについては、国内外において他社に技術支援サービスを提供する水準を誇っている。

重量物の運送には、特殊車輌やリフトが欠かせない。同社は、1983 年よりドイツ製の特殊車輌「スーパーキャリア」を導入しており、第6 世代機を含め計26 台を保有している。スーパーキャリアなどの特殊車輌は、火力発電所の建設などに力を発揮する。同社は、30 年以上にわたり京浜・京葉地区の湾岸火力発電所の新設・増設工事に携わってきており、環境にやさしい最新鋭の火力発電所の建設に当たっても輸送・据付能力が活かされる。

特殊機材は、橋梁の架替などでも活躍する。あらかじめ組立てられた橋桁をスーパーキャリアにより所定位置まで運搬し、ミリ単位の調整を行いながら据付し、不要となった既設の橋桁をスーパーキャリアやスーパーテーブルリフトを用いて一体で撤去する。高速道路を夜間通行止めにし、数時間内に終了させなければならない工事では、事前に綿密な計画を立て、それを実現するためのオペレーション訓練を重ねて行う。2020 年に開催される東京五輪に向け、交通インフラの工事における活躍の機会が期待されている。

風力発電プラントでも実績がある。三井造船が茨城県沖の外洋で国内初の本格的な風力発電設備を建設する際、同社は商船三井と連携して海上輸送やクレーン荷受作業を行った。風車の陸上輸送も行っている。輸送する機器は大きく分けてアンカー(基礎) /タワー(支柱) /ナセル(発電機)/ブレード(羽) となり、陸上輸送をスムーズに行うため、可能な限り建設サイトの近隣まで海上輸送を優先する計画を作成した。

海運大手の商船三井の現在の持ち株比率が66%となっている。商船三井が同社を子会社化した目的は、中核事業の外航海運を基軸とする強固な企業グループ経営の促進を図るため。同社がプラントなどの重量物輸送で実績があり、海上輸送後の陸運から機器の据付まで手掛けていることから、同社をグループ企業とすることで世界的に活発な資源開発事業へのプラント輸送需要などを開拓する。

2015 年3 月期のROEは14.7%、ROA が15.9% といずれも10% を超え、突出したパフォーマンスを上げた。東証1 部上場の倉庫・運輸関連業23 社の中で、ROE とROA が2 ケタなのは同社、トランコム<9058>、エーアイテイー<9381> の3 社しかない。

2015 年3 月期業績
2015 年3 月期の業績は、売上高が53,335 百万円、前期比22.4% 増、経常利益が5,562百万円、同82.7% 増であった。経常利益の通期予想の推移をたどると、期初予想の33 億円(前期比9.6% 増) に対して、第1 四半期決算発表時点で38.5 億円へ上方修正された。その後、第2 四半期に44.5 億円、第3四半期に50 億円に引き上げられ、さらに実績はそれを上回り55.6 億円となった。

プラント・物流事業の営業収入は、前年比47.3% の大幅な増加となり、同事業の営業収入構成比は前期の49.5% から59.6% へ拡大した。同事業の経常利益は前年比4.2 倍になり、営業収入経常利益率は前期比7.4 ポイント増の11.4% へ上昇し、港湾事業の利益率(8.9%)を上回った。より収益性の高い事業の営業収入構成比が拡大したため、全社ベースでも大幅な増益になった。

2016 年3 月期予想
2016 年3 月期は、売上高が500億円、前期比6.3%減、経常利益が43億円、同22.7%減と予想している。セグメント別では、港湾事業の営業収入が225億円、前期比7.0%増を予想。京浜港でのコンテナを中心に輸入貨物の取扱いが堅調に推移するほか、円安傾向の継続もあり、車両・建設機械の取扱いの回復が見込まれる。一方、プラント・物流事業の営業収入は、273億円、前期比14.1%減を予想している。物流は堅調に推移するとみられるものの、プラント工事は国内電力関連の減少を予想。

第1四半期連結累計期間の営業収入は12,672百万円(前年同四半期比2.6%増)、経常利益は1,083百万円(同10.4%減)となった。港湾事業は、コンテナ関連では、新規航路の誘致もあり取扱隻数は増加したが、北米でのスケジュール乱れやマニラ港での混雑の影響、一部航路での船腹の縮小等により取扱量が大幅に減少した。また、車両・建機関連でも取扱量が回復せず、事業全体では前年同期に比べ減収減益となった。プラント・物流事業は事業基盤となる京浜港での貨物取扱量は堅調に推移したほか、重量物輸送工事、橋梁・その他の工事についても順調に推移した。また、海外においても主要拠点の1つであるシンガポールで工事が順調に推移し、事業全体では前年同期に比べ増収増益となった。

ラジオNIKKEI マーケットプレス
『フィスコ presents 注目企業分析』毎週月・木曜14:30~14:45放送

《TM》

 提供:フィスコ

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