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【経済】NYの視点:米8月雇用統計、ネガティブサプライズに警戒


米8月の雇用統計の結果は、9月連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げの可能性を見極める上で鍵となる。9月の利上げの可能性に関し、フィッシャー米FRB副議長はワイオミング州のジャクソンホールで開催されたカンザスシティー連銀主催の年次シンポジウムで、「現時点でどのような決定するかはわからない、今後の指標次第」とし、特に8月の雇用統計への注目度が高いと強調していた。

8月の雇用統計でFOMCが雇用の正常化と見る20万人超の持続的な雇用の増加が確認された場合、利上げ観測を受けたドル買いに一段と拍車をかけることになる。7月時点での本年の雇用の平均は21.1万人増と20万人を上回っていた。逆に、8月分が20万人に満たないと、9月の利上げ観測が後退しドル売りが加速する可能性がある。

米国労働省が発表する雇用統計と最も相関関係が強いとして注目される民間部門の雇用者数を示すADP雇用統計の8月分の増加数は2ヶ月連続で20万人を割り込んだ。また、全米の製造業活動を示すISM(米供給管理協会)製造業指数の雇用は51.2と7月56.5から大幅に低下。2ヶ月連続の低下で、拡大と縮小の境目となる50を割り込んだ4月来で最低となった。NY連銀の製造業景況指数の雇用も大幅に低下し、週平均就業時間も5月以来のマイナスに落ち込むなど、製造業の雇用は冴えない。

8月の雇用統計は、自動車工場の夏休みなど季節的調整も多く予想を下振れる傾向が多いという。このため、ネガティブサプライズに警戒したい。

■8月雇用統計の先行指標

・ADP雇用統計
前月比+19.0万人(予想:+20.0万人、7月:+17.7万人←+18.5万人)

・ISM製造業景況指数
雇用:51.2(7月56.5)

・NY連銀製造業景況指数
雇用(現状):1.82(7月3.19)
週平均就業時間:-1.82(7月4.26)
6か月予想
雇用:3.64 (7月9.57)
週平均就業時間:1.82(7月-3.19)

・フィラデルフィア連銀製造業景況指数
雇用(現状):5.3(7月-0.4)
週平均就業時間:8.5(7月4.0)
6か月先
雇用:21.5(7月22.2)
週平均就業時間:1.2(7月12.7)

・リッチモンド連銀製造業景況指数
雇用(現状):1(7月1)
週平均就業時間:3(7月1)
賃金::15(7月14)
6か月先
雇用:1(7月1)
週平均就業時間:3(7月1)
賃金:15(7月14)

・消費者信頼感指数

雇用(現状)
十分:21.9(7月19.9)
不十分:56.2(7月52.7)
困難:21.9(7月27.4)

雇用(6か月先予想)
増加:14.6(7月13.7)
減少:13.6(7月19.0)
不変:71.8(7月67.3)

・失業保険申請件数

   申請件数 前週比 4週平均 継続受給者数
08/22 271,000  -6,000 272,500 n/a 
08/15 277,000  +4,000 271,500 2,269,000 
08/08 273,000  +4,000 266,000 2,256,000 
08/01 269,000  +2,000 268,000 2,278,000 
07/25 267,000 +12,000 274,750 2,258,000 
07/18 255,000 -26,000 278,500 2,270,000 
07/11 281,000 -15,000 282,500 2,216,000 
07/04 296,000 +14,000 279,250 2,216,000 

■市場予想
失業率:5.2%(7月:5.3%)
非農業部門雇用者数:前月比+21.8万人(7月+21.5万人)
民間部門雇用者数:前月比+20.5万人(7月+21万人)

《NO》

 提供:フィスコ

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