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2015年09月02日12時10分

【特集】清水三津雄【中国危機!日本株の行方】相場観特集_02 /人民元切り下げで景気回復も、日本には腰折れ懸念

日本アジア証券・エクイティ・ストラテジスト 清水 三津雄氏

 世界の金融市場の波乱は、中国人民元の実質切り下げから始まったといえる。中国の景気減速が指摘されるが、07年の国内総生産(GDP)が14%成長だったのに対し、足もとでは7%前後に落ちている。中国の減速はいまに始まったことではない。

 今回の人民元切り下げは景気刺激策を狙ったものだろう。管理変動相場のもとにある中国では、金融緩和をしても通貨安とはならない。それだけに人民元切り下げは、金融緩和とのつじつま合わせの面があるかもしれない。この措置により中国景気は、回復する可能性はあると思う。もし、今後も景気の勢いが弱ければ、第2、第3の景気対策が見込めるだろう。

 今回とリーマン・ショック時の大きな違いは、金融システム不安には陥っていないことだ。その意味で、危機とは呼べないと思う。
 中国人民元切り下げでは、特に東南アジア各国には目先は中国製品の流入などで影響が出る可能性はある。ただ、中国景気回復によるプラス影響は東南アジア諸国も享受できるだろう。

 一方、日本は景気自体に問題がある。景気の失速、腰折れの懸念がある。中国や米国といった海外要因にだけ目を向けてはいられない。4~6月期の国内総生産(GDP)はマイナス成長となった。GDPがマイナス成長の国の株式を外国人投資家は買わないだろう。このため9月の株式相場は、もみ合いとなる可能性もある。
 今後、政府は補正予算を組んだり景気対策に取り組んだりする必要がある。補正予算などの機運が出るとともに、株価も上昇基調に入ると思う。

<プロフィール>

1987年コスモ証券(現、岩井コスモ証券)入社。リテール・ホールセール営業、国内外の株式ディーラー・トレーダーを歴任し、投資調査部副部長。2014年11月日本アジア証券入社、現職。歯切れの良さと分かりやすい説明に加え、ピンポイントの銘柄分析に定評がある。「ラジオNIKKEI」「日経CNBC」「ストックボイス」にレギュラー出演。

編集企画:株経通信(株式会社みんかぶ)   【中国危機!日本株の行方】特集より

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