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【経済】NYの視点:【8/25IMM】円売り持ち3か月ぶり低水準、来週は米雇用統計、ベージュブック、ECBなどに注目


8月25日付けのシカゴIMM、投機・投資家筋のポジションで円の売り持ち高は3か月ぶりの低水準となった。市場の円の売り持ち高が減少したことは円の下落余地を広げる。

◎8/31週のポイント

原油、中国経済、市場動向を睨んだ展開が継続する。中国の8月製造業PMIが予想を下振れると、再び市場の混乱を招く可能性もある。また、米連邦準備制度理事会(FRB)による利上げのタイミングを探るため、カンザスシティー連銀主催の年次シンポジウムでのフィッシャー米FRB副議長の講演、9月の連邦公開市場委員会(FOMC)の材料となる最新のベージュブック(地区連銀経済報告)、8月の雇用統計に焦点が集まる。

また、世界同時株安など世界経済の鈍化懸念が強まる中、豪準備銀行の金融政策決定会合、欧州中央銀行(ECB)定例理事会、ドラギECB総裁の会見に注目が集まる。ユーロ圏のインフレ低迷で量的緩和(QE)拡大の思惑も再燃している。さらに、トルコ、アンカラで開催される20か国財務相・中央銀行総裁会議も注目材料となる。

●中国
9月
1日:8月製造業PMI:予想49.7(7月50.0)、非製造業PMI(53.9), Caixin PMI製造業確定:予想47.2(7月47.1)、PMIサービス業:7月53.8、PMIコンポジット:7月50.2

中国の8月製造業PMIは3年来の低水準に陥ると予想されている。経済鈍化の深刻化や株式相場の下落を食い止める政府の措置への圧力が強まる可能性がある。

●欧州
9月
3日:欧州中央銀行(ECB)定例理事会(予想:政策金利0.5%で据え置き)、ドラギECB総裁会見

ユーロの上昇や原油安がバランスリスクとなり、ドラギECB総裁がユーロ安誘導発言または、量的緩和(QE)の拡大を示唆する可能性もある。

●世界
9月
1日:豪準備銀金融政策決定会合(予想2.0%で据え置き)
4?5日:20か国財務相・中央銀行総裁会議、世界経済に関して協議、ルー米財務長官、ショイブレ独財務相などが参加

●日本
9月
1日:甘利明経済財政・再生相講演

●米国
8月
27?29日:カンザスシティー連銀主催の年次シンポジウム(米ワイオミング州ジャクソンホールで開催)
29日:フィッシャー米FRB副議長講演、米国のインフレに関して、フィッシャー米FRB副議長、カーニー英中央銀行総裁。コンスタンシオ欧州中央銀行(ECB)副総裁が世界インフレに関してパネルディスカッション

9月
1日:ローゼングレン・ボストン連銀総裁(2015年のFOMC投票権なし)が経済の見通しに関して講演
2日:米連邦準備制度理事会(FRB)はベージュブック(地区連銀経済報告)公表
4日:8月雇用統計:失業率:予想5.2%(7月5.3%)、非農業部門雇用者数:予想前月比+22万人(7月21.5万人)、ラッカー米リッチモンド地区連銀総裁(2015年投票権有)「The Case Against Further Delay利上げが遅れた場合」との議題で講演

中国の景気停滞や市場の混乱が米国経済へ与える影響に関しての見方は連邦公開市場委員会(FOMC)メンバー間で分かれるようだ。ダドリーNY連銀総裁は、「国際的な市場の事象はリスクを高め、利上げのタイミングに影響する」と認め、9月の利上げに関し「数週間前に比べ切実さは減った」と慎重な見解を示した。しかし、同時に「米国経済はかなり良好」とし、可能性を完全に排除したわけではない。ブラード・セントルイス連銀総裁は「中国の低成長は大きなサプライズではない」「米国のファンダメンタルズは良好」「過去10日間の市場の混乱で、FOMCの見通しが大幅に変更されることはない」との見解。同総裁は2015年のFOMC投票権は有さないが中立派として知られる。そのため、総裁の見解はFOMC内での主流とされ、注目度が高い。

ジョージ米カンザスシティー地区連銀総裁やメスター・クリーブランド連銀総裁も「インフレが2%に上昇するという理にかなった自信がある」「米国経済は金利の上昇に耐えられる」「FRBの政策は将来を考慮する」と利上げを支持。一方、コチャラコタ米ミネアポリス地区連銀総裁は依然インフレが低過ぎ、追加緩和を検討すべきだとの見解を繰り返した。

カンザスシティー連銀主催の年次シンポジウム(米ワイオミング州ジャクソンホールで開催)では連邦準備制度理事会(FRB)の中でもイエレンFRB議長と同様、権限があるフィッシャー米FRB副議長のインフレに関する講演に注目が集まる。国際高官などには、「米国の利上げに対応する準備ができている。実行が遅れるほど、市場の混乱が深刻化する」と述べており、連邦公開市場委員会(FOMC)が示唆したとおり、利上げを実行し不透明感を払拭することを要請する意見も見られる。フィッシャー米FRB副議長はインタビューで、「我々は利上げへの軌道にある、米8月雇用統計が重要に」と9月の利上げの可能性も排除していない。9月のFOMCまでにでる指標、特に雇用統計に注目が集まる。

●地政学的リスク
ウクライナ紛争
ガザ紛争
イラク、イスラム過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」
シリア
イエメン

【IMM】

*日本円
ネット・円売り持ち:-39,059(8/25)←円売り持ち:-90,130(8/18)
(直近ネット円買い持ち最高水準:08年3/25+65,920、04年2/6+64499)
(過去最高ネット円売り持ち高:07年6/26-188,077)

*ユーロ
ネット・ユーロ売り持ち:-66,078(8/25)←ユーロ売り持ち:-92,732(8/18)
(07年5/15:+119,538過去最高買い持ち高、10年2/9-57,152過去最高の売り持ち高)

*ポンド
ネット・ポンド買い持ち:3,299(8/25)←ポンド売り持ち:-3,971(8/18)
(07年7/22:直近ネット買い持ち高最高水準+98,366)

*スイスフラン
ネット・スイスフラン売り持ち:-12,597(8/25)←スイスフラン売り持ち:-9,868(8/18)
(過去最高スイスフランネット売り持ち高:07年6/19:-79,331)

*加ドル
ネット・加ドル売り持ち:-59,712(8/25)←加ドル売り持ち:-66,794(8/18)
(直近ネット買い持ち高最高水準:07年10/12+83001)

*豪ドル
ネット・豪ドル売り持ち:-63,727(8/25)←豪ドル売り持ち:-49,883(8/18)

《NO》

 提供:フィスコ

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