市場ニュース

戻る
 

【市況】新興市場見通し:リバウンド基調が続き堅調な展開か、アクアラインなど3社IPO


先週の新興市場は、中国に端を発する世界的な景気減速懸念などから金融市場が不安定となるなか、値動きの大きい展開となった。日経平均が前週末比900円近く下落した8月24日、マザーズ指数は同12%超のきつい下げとなり、翌25日には一時700ptを割り込む場面があった。ただ、その後は中国による追加の金融緩和で上海総合指数が持ち直し、日経平均の反発に連れて割安感の強まっていた中小型株にもリバウンド狙いの買いが入った。結局、週間の騰落率は、日経平均が-1.5%であったのに対して、マザーズ指数は-3.9%、日経ジャスダック平均は-2.9%だった。

個別では、マザーズ時価総額上位のミクシィ<2121>が週間で0.9%安、サイバーダイン<7779>が同0.2%高とおおむね前週末の水準を回復した。各省による来年度予算案の概算要求が発表されたこともあり、FFRI<3692>、ITbook<3742>など主力テーマ株が買われ、その後他の関連銘柄にも循環物色が向かった。ビッグデータ、人工知能(AI)、自動運転、郵政関連なども買われる場面もあった。バイオ関連では、オンコセラピー・サイエンス<4564>が同1.6%高、そーせいグループ<4565>が同6.7%安とまちまち。ジャスダック主力では、クルーズ<2138>が同11.1%安と軟調だったものの、ガンホー<3765>が同1.6%安、日本マイクロニクス<6871>が同0.7%安と安値水準から値を戻した。その他、マザーズではアクロディア<3823>、ディー・ディー・エス<3782>、ストリーム<3071>、ジャスダックでは田中化学研究所<4080>、アールテック・ウエノ<4573>、朝日ラバー<5162>など中小型株材料株の上昇が目立った。IPOでは、8月26日に土木管理総合試験所<6171>(東証2部)、8月28日にラクト・ジャパン<3139>(東証2部)、メタップス<6172>(マザーズ)が新規上場した。公開規模100億円近い大型案件だったメタップスに加え、東証2部上場の2社も公開価格と同値ないしやや下回る水準での初値形成となった。

今週の新興市場は、リバウンド基調が続き堅調な展開となることが想定される。ただ、前週のリバウンド相場をけん引した主力テーマ株の一角は伸び悩んできており、更なる上昇にはもう一つ買い材料が待たれるところ。目先は出遅れ銘柄の水準訂正を狙った物色が中心となるだろう。

9月10日にも日本郵政グループの上場が承認される見通しとの観測が伝わり、関連銘柄が動意を見せている。新興市場ではソフトフロント<2321>や日本創発グループ<7814>といったところに関心が向かっているが、日本郵便への導入実績があるテラスカイ<3915>などにも注目しておきたい。なお、今週は8月31日にトリケミカル研究所<4369>、ACCESS<4813>、9月2日にピープル<7865>、9月3日に日本スキー場開発<6040>、9月4日にアイル<3854>などが決算発表を予定している。

IPO関連では、8月31日にアクアライン<6173>、9月2日にベステラ<1433>、STUDIOUS<3415>がいずれもマザーズへ新規上場する。3社ともに堅調な初値形成が期待される。また、ピクスタ<3416>、アイビーシー<3920>のブックビルディングが続くほか、ブランジスタ<6176>が新たに開始される予定となっている。なお、先週は9月16日にマザーズへ上場予定だったネットマーケティング<6175>の上場取り止めが発表されている。

《FA》

 提供:フィスコ

株探からのお知らせ

    日経平均