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2015年08月28日16時21分

【特集】木徳神糧 Research Memo(7):農業政策の変化が事業拡大のチャンスに


■中長期的展望

(3)農業政策の変化と同社の存在意義

国内の米穀消費そのものは低下が続いており、その点から木徳神糧<2700>にとっての市場そのものの拡大は期待できない。しかし米穀の流通においては、コンビニエンスストアなど新たなルートが広がっており、また外食チェーンや惣菜、弁当などの所謂「中食市場」は拡大傾向にある。同社はこのような新流通ルート(量販店、コンビニエンスストア、外食チェーン等)に対して太いパイプを有していることから、米穀市場全体は伸び悩んでも同社の米穀事業が成長する可能性は高い。

さらに中長期の視点から同社にとっての追い風は、農業政策における自民党政権の変化だ。既に自民党はJA全中(全国農業協同組合中央会)に対して「自律的に新たな組織に移行すること」を提言、JA全農(全国農業協同組合連合会)に対しては「株式会社化」を提言している。このような農協改革は大筋決着と報じられているが、米穀市場が今までの全中・全農の集中・支配体制から自由市場の方向に向かっていくことは確かであり、同社のように信用力、資金力、精米能力、全国レベルでの販売網を有している大手卸業者にとってプラスとなるのは間違いないだろう。米穀市場の自由度の高まりとともに、同社の存在意義は一段と高まっていくと予想される。

もう1つの重要な変化は、TPPで議論されている海外との米穀取引の自由化だ。既にTPP交渉は大詰めを迎えているが、進展次第で米穀を含めた日本の農業市場は大きく変わる可能性が大きい。国内米穀市場及び同社にどのような影響が出てくるかはまだ不透明であるが、少なくとも現状より後退することは考え難い。輸出及び輸入だけでなく3国間貿易も含めて少しでも米穀市場の自由度が増せば、大手米卸としての同社にとっては事業拡大のチャンスと思われる。今後のTTP交渉の進展・決着にも大いに注目する必要がある。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)

《HN》

 提供:フィスコ

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