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【特集】【中国の視点】中国が米国債を売却開始?米利上げXデーに影響も


統計によると、中国政府が人民元の為替レートの安定を維持するため、直近2週で1000億米ドル以上の米国債を売却したという。これは今年上期の売却量に相当する。

専門家は、中国が保有する米国債を全売却する可能性が低いと指摘。ただ、新興国が中国に追随した場合、米国債の利回りの急上昇につながる恐れがあると警告した。マレーシアの通貨リンギットや台湾ドル、シンガポールドル、インドネシアの通貨ルピアなど新興国通貨の同時安が進行していることが背景にある。

また、人民元の実質切り下げや原油など商品相場の下落、米早期利上げ観測が新興国通貨の下落圧力を強めている。自国通貨の下落を食い止めるため、米ドル建て外貨準備や米国債を売却することが考えられると指摘された。

シティバンクは、米国内総生産(GDP)の1%に相当する外貨準備が売られた場合、10年米国債利回りの15-35bp(ベーシスポイント)の上昇につながると試算。新興国と先進国が合わせて計5兆4910億米ドル相当の外貨準備を保有している。その10%が減らされた場合、米GDPの3.07%に相当し、10年米国債利回りは108bpの上昇につながると計算した。

新興国からの資金流出が一段と加速した場合、外貨準備を減らして自国通貨の安定維持を優先させることが考えられるため、これが米不動産市場、米利上げ時期に影響すると分析された。また、新興国が一斉に行動した場合、米利下げ時期が先送りされる可能性も否定できないと指摘された。
《ZN》

 提供:フィスコ

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