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【特集】<話題の焦点>=国内バイクの底打ち鮮明に、“リターンライダー”の増加寄与

 日本自動車工業会の二輪車市場動向調査によると、オートバイの2014年度国内需要台数予測は、前年度比6.1%増の約46万9000台と需要底打ち傾向が鮮明となってきた。

 若い時に二輪車免許を取得したものの、その後さまざまな理由でオートバイを諦め、40~50歳代になってから再び乗るようになった“リターンライダー”の増加がバイク需要を徐々に拡大させているという。同工業会の調査でも、03年度に40歳だったライダーの平均年齢は、11年度は51歳まで上昇している。

 空前のバイクブームとなった1980年代に20歳前後だった若者が、その後結婚し、子育てが一段落。仕事一辺倒の生活から脱却して、仕事と趣味のバランスをうまく取りたいというライフスタイルを求めるなか高年層が増えていることが背景にあるという。

 一方で、スマートフォンなど通信費用増加や将来の所得推移への懸念などから、若者のバイク離れは一段と深刻だ。ヘルメットやブーツ、手袋などの関連用品、任意保険料など、必要経費だけでも相当な金額になる。さらに、遠出しようとすれば、高速道路を利用したツーリングになり、費やす金額がさらに多くなる。この支出に耐えられるのが中高年ということにもなる。

 ヤマハ発動機<7272>は、125CCの三輪バイク「TRICITY(トリシティ)」を発売。トライクと呼ばれる三輪タイプは珍しくないが、トリシティは前輪が2輪という“逆トライク”で、固定観念を打ち砕いている。スズキ<7269>は二輪車最上位モデル「隼(ハヤブサ)」「Vストローム1000」といった海外専用モデルを国内でも販売。

 最大手のホンダ<7267>は、楽な姿勢で運転を楽しめる大型二輪車「NM4―01」(排気量750CC)を発売。座席に背もたれを付けるなど、大型二輪の初心者でも乗りやすいように工夫。サドルの高さを低くした中高年向けの製品で、走行を補助するモーターを軽量化するなど使いやすくした。座席の高さは65センチと、同じクラスの平均より約15センチ低く、背の低い人でも地面に足が着く。回復してきた二輪車人気を支える中高年や女性の取り込みを狙う。川崎重工業<7012>は、好評のロードスポーツタイプの250CC「ニンジャ250」の2016年モデルを9月1日から新発売する。一方、中古二輪車買い取り最大手のバイク王&カンパニー<3377>では、ハーレー・ダビッドソンなど大型車を購入する中高年ライダーが増加傾向にあり、利益成長を牽引している。

◆主なバイク関連銘柄

 銘柄<コード>  今期営業増益率     株価    PER

バイク王<3377>   59.7      271   16.7
川重<7012>     16.8      484   11.7
ホンダ<7267>     2.1   3962・5   13.6
スズキ<7269>     5.9   4145・5   21.1
ヤマハ発<7272>   37.5     2369   10.8

※株価は21日終値(単位:%、円、倍)


出所:株経通信(株式会社みんかぶ)

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