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【経済】中国:7月新車販売は前月比17%減、メーカー業績は二極化


中国景気の低迷が同国自動車市場を圧迫し続けている。工業和信息化部(工業情報化部)が20日発表した中国の7月新車販売は、前月比で17%減少。生産台数も18%落ち込んだ。生産・販売ともに市場の事前予想を上回る減少幅となっている。1~7月の累計では、生産・販売ともに前年同月比で1%を下回る伸び。1~6月と比べて一段と鈍化した。
経営環境の悪化が続く中で、自動車業界全体の業績は悪化。業界団体の中国汽車工業協会のまとめによると、重点完成車メーカーの今年1~6月業績は、売上高が前年同期比1.1%減の1兆5126億1300万人民元(約28兆3731億円)、利益総額が同3.3%減の2847億6200万人民元に低迷した。
もっとも個別にみると、自動車各社の業績は二極化局面にある。これまでに6月中間期決算を発表した自動車メーカー(業績予想も含む)のうち、損失の大きさが目立ったのは一汽夏利(000927/SZ)。この期の損失額について、前年同期(4億3600万人民元)を大幅に上回る5億~5億7000万人民元に拡大するとの悲観を明らかにした。バス生産の中通客車(000957/SZ)も弱気。純利益について、前年同期比約8割減の4096万~5120万人民元を予想している。
一方、江淮汽車(600418/SZ)は好業績を発表。純利益は32%増の5億3700万人民元に伸びた。この期の新車販売台数は、16%増の29万2290台。多目的スポーツ車(SUV)が536%増の11万527台、電気自動車(EV)が470%増の2692台と拡大している。
政策支援を受けるEVと、空前のブームに沸くSUVが中国新車販売市場の急激な落ち込みを回避するストッパーとなっている構図だ。


【亜州IR】

《ZN》

 提供:フィスコ

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