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【特集】ネクステージ Research Memo(4):メガプレーヤーが存在しない中古車販売市場


■国内自動車販売市場

中古車販売市場は細分化されており、メガプレーヤーが存在しない。メーカーでは上位企業へのシェア集中が見られるのに対し、ディーラーは商圏や車種が限定されるため総じて規模が小さい。中古車市場は規模が大きく、車検制度のおかげで需要も安定している。独立系企業が、自己の裁量で事業拡大できる余地がある。ネクステージ<3186>は、「2020年ビジョン」の下、2020年に店舗数を200店舗、売上高を2,000億円、市場シェア10%を目指している。

同社の競合先は、ディーラーと地域店となる。ディーラーの中古車販売は、新車販売の際の下取り車が中心になる。メーカーの信用を後ろ盾とするアドバンテージがあるものの、新車の販売台数が増えない状況では、仕入面での制約を受ける。地域店は、地元での知名度があり、顧客基盤を持っているが、資本力に乏しく、瞬発力に欠ける。同社は、メーカーの縛りを受けないうえ、プライシングの決定権を持つ。下取り車を販売するという観点からでなく、顧客のニーズに即した仕入・販売・アフターサービスという業務フローを確立することができる。課題は、オートオークション市場の相場が強まり、新車と中古車の価格差が縮小したときの利益確保になる。そのため、商品の鮮度を保つ在庫管理の厳格化と顧客の生涯価値の獲得を重視する。

競争要因であるQPS(品質・価格・サービス)では、同社はすべての項目に強みを持つ。品質は、『プロ品質』をうたっている。専門バイヤーによるプロ仕入は、各車両の徹底調査によりトラブルの多いモデルや年式を避ける。納車前点検整備を行うメカニックは、専門店展開のため取り扱う車種に精通している。車両販売価格の競争力は強い。サービスでは、「90日以内返品可能」や「おもいやり保証」などを提供しており、安心のカーライフに配慮している。オプションの有料サービスサポートには、顧客の85%が利用するなど高い支持を得ている。このサービスパックには6ヶ月ごとのエンジンオイル無料交換が含まれており、来店の動機付けとなる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 瀬川 健)

《HN》

 提供:フィスコ

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