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【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(2):JR西日本、ワタミ、西松建、良品計画

■JR西日本 <9021>  9,044円  +146 円 (+1.6%)  本日終値
 JR西日本<9021>が反発、一時前日比327円高の9225円まで買われている。19日に日本政府観光局が発表した7月の訪日外客数は、前年同月比51.0%増の191万8000人と年間を通じた単月としての過去最高を記録したことから、訪日観光客需要で業績が好調な同社も再びインバウンド関連として物色されている。7月30日の取引終了後には16年3月期の連結業績を営業利益で1485億円から1620億円(前期比15.9%増)へ上方修正している。運輸業や旅行業、ホテル業などグループ全体での取り組みを行う「グループインバウンド推進室」を6月に設置しており、この効果も今後表面化していきそうだ。

■ワタミ <7522>  1,034円  +15 円 (+1.5%)  本日終値
 ワタミ<7522>は小幅反発。一時、前日比20円高の1039円まで買い進まれている。日証金が19日付から貸株利用など貸借取引で注意喚起銘柄に指定すると発表した。信用取引の規制強化に伴って、売買の自由度が制限されるとの見方があるなかで、きょうは買いが先行している。

■西松建設 <1820>  514円  +6 円 (+1.2%)  本日終値
 西松建設<1820>が堅調な値動きをみせている。前日は目先の利益確定売りで調整したものの、きょうは前場の軟調相場でも継続的な買いが入り、前引け時点で日足包み陽線を示現している。海外要因から輸出株に逆風が吹く中、内需株に優位な流れ。そのなか、これまで買われ過ぎが指摘されていた食品株と入れ替わりで建設株に見直し余地が浮上している。今週初に発表された15年4~6月期GDPは3四半期ぶりにマイナス成長となったが、公共投資は増加、土木分野に強みを持つ同社にとっては好環境が続く。東京外環道路のトンネル工事の受注実績を生かし、リニア中央新幹線でも収益機会をとらえる可能性がある。PER14倍前後、PBR1倍割れで指標面からも水準訂正余地が指摘される。

■良品計画 <7453>  26,340円  +250 円 (+1.0%)  本日終値
 良品計画<7453>がプラス転換、前日は1380円安という急落になったが調整局面でも押し目買い意欲が旺盛なチャートになってきた。5%ルール大量保有報告書で海外ファンドが株式買い増ししていることが下支えとなっているようだ。8月20日に提出された5%ルール大量保有報告書によると、米国籍の投資ファンド、キャピタル・ガーディアン・トラスト・カンパニーが、グループ会社と共同保有で良品計画の株式を買い増ししていることが判明した。従来保有株比率は発行済み株数の12.32%だったが、最新資料では12.67%、355万6569株まで増加した。キャピタル・ガーディアン・トラスト・カンパニーは、かつてソフトバンク<9984>や任天堂<7974>など中長期に渡って株式を買い増ししていた傾向がある事が証券界では知られている。中国株下落ショックにより良品計画株価が大きく下落したが、こうした海外ファンドの買い増し傾向があると「株価調整にも安心感がある」と話題になった。

■三井不動産 <8801>  3,783.5円  +33 円 (+0.9%)  本日終値
 アジア、欧米マーケットが荒れているため日本株も下落基調。物色の対象は内需関連株を買い、原油安の影響で原油・石油関連が売られ、中国関連、インバウンド関連が売られている。物色対象として人気化しているのが不動産株。業界大手財閥系3社の株価は絶好調となってきた、三井不動産<8801>は2013年12月の高値、2014年11月の高値、2015年5月の高値を抜いて年初来高値を更新。これまでの高値のフシを抜いたことの意味は大きい。三菱地所<8802>は2015年3月の高値を抜き、株価3000円台に突入すれば2014年1月以来の節目に到達する、やはりこれもテクニカル分析で意味が大きい。住友不動産<8830>にしても然りだ。海外状況の悪化で株式市場が荒れているが不動産株が上昇することは、オフィス賃料の上昇や空室率の低下など、日本経済のファンダメンタルズ良好の証しといえよう。

■日本郵船 <9101>  368円  +3 円 (+0.8%)  本日終値
 中国株取引開始時間になると日経平均株価が下げ幅を拡大する流れが続いている。その相場環境で業種別では海運株が続伸スタートとなったものの、前引けにかけ指数は下げに転じている。ただ、業界大手の日本郵船<9101>、川崎汽船<9107>がプラスを維持、商船三井<9104>は値下がりしている。きょうは、バークレイズ証券が日本郵船の目標株価を引き上げたことが伝わっている。リポートによると、レーティングは相対アップサイドが大きいことから「オーバーウエイト」を継続、目標株価は460円から480円に引き上げられた。テクニカル面では一目均衡表で遅行スパンが雲抜けとなっており、長らく抵抗帯となっていた360円台ゾーンを抜きにかかっている。きょうはこのほか、国内大手証券が日本郵船の目標株価を440円から460円引き上げたことも確認されている。

■イチネンHD <9619>  1,196円  +5 円 (+0.4%)  本日終値
 イチネンホールディングス<9619>が高い。同社は19日取引終了後、今年6月に創業85周年を迎えたことを受け、16年3月期の中間配当と期末配当について、それぞれ3円の記念配当を上乗せし、年34円配当(中間17円、期末17円)を実施すると発表した。前期実績比で4円の増額となる。これを好感するかたちで買いを集めている。

■キリンホールディングス <2503>  1,818.5円  +7 円 (+0.4%)  本日終値
 キリンホールディングス<2503>がしっかり。19日の取引終了後に、ミャンマーのビール最大手、ミャンマー・ブルワリー(MBL)社を買収したと発表しており、これを好材料視した買いが入っている。MBL社の発行済み株式数の55%を保有するフレイザー・アンド・ニーヴ(F&N)社からF&N社保有の全株式を5億6000万ドル(約697億円)で取得したもので、今後は、残りの株式を保有するミャンマー国軍系複合企業、ミャンマー・エコノミック・ホールディングスと共にMBL社を経営するという。MBL社は、「Myanmar Beer(ミャンマー・ビール)」などのブランドを中心に、ミャンマーでトップシェアを誇るビール会社。日本のビール市場が縮小するなか、買収をきっかけにミャンマーでの事業拡大を図る方針だ。

■シスメックス <6869>  8,210円  +30 円 (+0.4%)  本日終値
 シスメックス<6869>が反発。前日比120円高の8300円でスタートし、高値は8440円、安値は8200円をつけている。クレディ・スイス証券では、「株価は好調な業績を背景に過去最高値圏にあるが、2016年3月期以降も10%台半ばから後半の増益が期待できる」と予想。「成長ドライバーは引き続きヘマトロジー(血球計数検査)と中国市場」とみて、2018年3月期まではヘマトロジーと中国が業績を牽引、その後は免疫や遺伝子検査などのノンヘマトロジーが本格的に利益貢献し始めると想定。同証券は、シスメックスのレーティングを「ニュートラル」から「アウトパフォーム」に格上げし、目標株価は6600円から9500円へ引き上げられた。

■川崎汽船 <9107>  296円  +1 円 (+0.3%)  本日終値
 国内大手証券の海運セクターのリポートでは、「コンテナ船の運賃は改善局面にある」と指摘。8月13日にコンテナ船最大手のAPモラー・マースクが所属するアライアンス「M2」が欧州航路の供給削減を発表、4大アライアンスの供給削減が出そろったこと受け、「欧州航路の供給の伸びは9月以降、前年並み、ドライバルク市況は底打ちして、タンカー市況は好調」と解説。円安・燃料安で業績が堅調ななか、「コンテナ船の運賃が回復すれば、再評価が進む」とみて、海運大手3社の買い推奨を継続。投資優先順位は、川崎汽船<9107>、日本郵船<9101>、商船三井<9104>の順に設定している。

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