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【市況】米国株式市場見通し:FOMC議事録に注目


連日にわたって中国による人民元切り下げが行われたことで、為替や商品相場などが少なからず影響を受け、市場では早期利上げ観測が後退した。FF金利の先物取引から算出される9月の利上げ確率は45%で、12月の利上げを支持する向きが優勢となっている。しかしながら、WSJ紙が今月初エコノミストを対象に行った調査では82%が9月の利上げを予想しており、先物取引とは大きく乖離している。今後、為替や商品相場の変化が利上げ時期にどれほどの影響を与えるのか慎重に見極める必要がありそうだ。対中売上比率の高い企業についても、引き続き中国経済から受ける影響に注視したい。

企業決算では、ディスカウントストアのTJX(18日)やターゲット(19日)、ホームセンターのホームデポ(18日)やロウズ(19日)、アパレルのギャップ(20日)など小売各社の決算に加えて、PCメーカーのヒューレット・パッカード(20日)や、企業向けソフトウェアのセールスフォース(20日)、農業機械のディア(21日)などの決算発表が予定されている。小売り企業決算は、JCペニーやノードストロームが先週好決算を発表したものの、メーシーズが既存店売上高見通しを引き下げたほか、コールズは大幅減益となるなど各社明暗が別れる展開となっており、注意が必要だ。

経済指標では、8月NAHB住宅市場指数(17日)、7月住宅着工・建設許可件数(18日)、7月消費者物価指数(19日)、7月中古住宅販売件数(20日)などが予定されている。消費者物価指数は6月まで5ヵ月連続で上昇しているが、年内の利上げ観測が強まるなか、インフレ率がFRBの目標値に近づいているかどうかに注目が集まる。

19日に、7月28・29日開催分のFOMC(連邦公開市場委員会)議事録が公開される予定となっており、注目が集まりそうだ。7月のFOMCでイエレンFRB議長は、利上げ開始時期については具体的な発言を避けたものの、景気が回復すれば年内利上げが適切との考えを示した。声明では、利上げ開始の条件として労働市場の「いくらか」の改善を確認したいとの指摘があったが、議事録ではFOMCがどれほど労働市場が改善すれば、インフレ率の上昇が始まると考えているのかについて確認したい。

(Horiko Capital Management LLC)

《FA》

 提供:フィスコ

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