市場ニュース

戻る
 

【市況】富田隆弥の【CHART CLUB】 「強いPKOだが、下値抵抗線にも注視」


◆8月相場が始まった。連日の猛暑に歩調を合わせるように、東京市場はTOPIXが7連騰(6日現在)するなど堅調だ。一方でNYダウは軟調。この日米相場の背景には「ドル高円安」が指摘されているが、東京市場の個別株を見ると、為替(円安)でメリットを受けるハイテク関連ではなく内需系が相場を牽引しており、日銀のETF買いや年金買いがその主因と思われる。

◆いわゆるPKO、政策相場だが、秋に「郵政上場」を控えることからPKO相場はまだ続く可能性がある。郵政上場(上場日未定)までまだ日柄があり、猛暑相場が一本調子で続くとも思えぬが、外国人投資家が休暇のところを「鬼のいぬ間」にPKOで強引に高値更新へ導く可能性がある。日経平均株価の高値は6月の2万0952円だが、TOPIXは6月高値1686.61をこの6日ザラバ(1688.07)で抜いており、日経平均の高値挑戦もあり得るだろう。

◆酷暑の8月は「夏休み、バカンス」の季節で、外国人は売り基調となりやすく「夏枯れ」も懸念される。また、欧米や中国・アジア、商品など海外マーケットも不透明なことから「空売り比率」も高止まっている(6日現在、30%超28日連続)。そうした懸念がくすぶる中で日本株上伸となれば、「買い戻し」により一時的に上値追い加速もあり得るだろう。日経平均の日足は6月から概ね2万~2万0900円の往来になっており、上値を突破すれば「1996年高値2万2750円」指向となる。そうなれば、政策相場として当局は「してやったり」だろう。

◆「政策に逆らうな」「流れに従う」が相場の基本。それだけに往来を突破するなら注目となるが、相場が当局の想い通りにコントロールできるとは限らない。日経平均もTOPIXもチャートは往来上限の節目だし、7月以降の下値抵抗線にも注視しておきたい。この先、下値抵抗線を割るなら「夏休み」「郵政上場前の調整」を意識することになる。

◆8月7日は変化日で「日銀政策決定会合、米雇用統計」がある。そして、8月14日は「SQ、お盆、新月、雲クロス」などの重なる重要変化日。個別株は「内需、外需」とも入れ替わりが目立ってきた。酷暑の夏相場で、体力温存も大事。「3日新甫」でもあり、無理せず小口売買で遊んでいたい。

(8月6日 記、毎週日曜日8時40分に更新)

情報提供:富田隆弥のチャートクラブ


株探ニュース

株探からのお知らせ

    日経平均