市場ニュース

戻る
 

【市況】富田隆弥の【CHART CLUB】 「残る変化日のWトップ」


◆7月は上旬にショック安で日経平均株価は1万9115円まで突っ込み、中旬は一転買い戻しを誘い2万0850円までV字回復。そして、下旬は7月28日に2万0070円まで調整したが、30日2万0583円に戻すなど、まさに乱高下。高値圏に来ているだけに風雨が強まったものの、政策相場を背景とするPKO(年金、ファンドの買い)と売り方の買い戻しが崩れを防いだカッコウだ。

◆さて、8月はどうだろうか。ギリシャと中国のショック安が一巡し、第1四半期決算も好調なものが相次ぎ、そして郵政上場を控えることから「日本株は順調」という声は少なくない。だが、ファナック <6954> や東エレク <8035> が業績を大きく下方修正し、中国バブル崩壊、商品市況下落、スマホ関連のピークアウトなど懸念を唱える向きも出てきている。信用買い残が3兆3000億円と高水準な一方、空売り比率も30%超が23日続く(7月30日現在)など需給面でも強弱観測が拮抗、日経平均も2万円~2万0800円ゾーンでもみ合っている。

◆このことから、8月相場は日経平均のこのもみ合いからの放れ足がポイントになろう。日足チャートはいま、下値が75日線、一目均衡表「雲」、上値は6月と7月の高値2万0900円前後が節になっている。ただ、6月高値、7月高値がともに変化日高値でWトップになっているほか、3月から毎月「下旬に高値→上旬に調整」というパターンがあり、8月は「甲子園、お盆」で閑散相場となりやすく、そしてカレンダーは「荒れる3日新補」であるから、もし下放れて2万円を割るなら買い方が苦しくなり、1万9000円~1万8000円方向へ下値模索となりかねず、8月の調整には注意したい。

◆好決算を出すと素直に買われるが、それが長続きしないのが今の相場の特徴。それだけ短期(目先)筋の資金の出入りが激しくなっている。お盆の14日(金)はSQで変化日、新月でもある。それまで少しノンビリ様子見も一策と考える。

(7月30日 記、毎週日曜日8時40分に更新)

情報提供:富田隆弥のチャートクラブ

株探ニュース

株探からのお知らせ

    日経平均