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【市況】【植木靖男の相場展望】


「蛙はいったん身を屈める」

●今後の見通しで強弱感が対立

 株式市場は猛暑に呼応したかのように熱気をはらんで7月13日から6連騰をみせた。2万1000円大台をうかがう展開となった。

 だが、7月22日、突然異変が起きた。ドル安を伴って米国株が急落したからだ。このため、今後の見通しで強弱感の対立が先鋭化し始めたのだ。

 その対立は、材料を重視するファンダメンタルズ派の強気、市場の空気を大事にし、チャートを重んじるテクニカル派の弱気が交錯している。

 もっとも、こうした対立は珍しくはない。株価が上昇するにつれ好材料が次々と顕在化することでファンダメンタルズ派は次第に強気を加速させる。逆に株価が上昇すれば、材料は株価に織り込まれていくとしてテクニカル派は警戒感を強めるからである。

 ファンダメンタルズ派からみれば、いまは海外のギリシャ問題は当面収束し、中国株暴落も政府の協力な介入で下げを阻止できた。米利上げも緩やかな上昇であれば不安はない。

 国内では、設備投資に薄日が差すようになり、個人消費も実質賃金上昇で回復に向かう。
 企業収益は原油安、円安で4-6月期決算は上方修正される公算が大きい。

 それにも増して、需給もよい。日銀など公的資金の買いや、PERなど海外他市場に比して割安感があり、海外勢の買いも期待できると強調する。

●医薬・医療機器関連に注目

 一方、テクニカル派からみれば、09年3月安値から5年で株価は約3倍にもなった。世界的に株価は疲れている。すでに欧州株は調整に入り、中国株も見ての通り。新興国も資金流出で株価はさえない。このため、これまで頑張った米国株、日本株もいつ調整に入ってもおかしくない、とする。

 では、どちらに軍配が上がるのであろうか?
 現段階では、まだ判断は出せないが、一つ気掛かりは7月22日の248円安である。ひょっとして後に振り返ったとき、やはりと想起させられるかもしれない。

 いずれにしても巷間、年末には2万1000円~2万2000円といった声が相次ぐ。であれば、そこに到る前に、それ相応の調整がなくてはならない。蛙が柳の木に飛びつくとき、いったん身を屈めるのと同じである。

 とはいえ、下値は乏しいとみる。なぜなら、5月以降の値動きは中段の保ち合いと判断されるからだ。おそらく、5月、7月につけた1万9000円台前半辺りが下値とみてよいだろう。

 ところで、当面の物色対象は、目下、米国では成長産業として医薬、医療機器関連が折にふれ買われている。市場環境にあまり振り回されることがないだけに、現在の物色対象としては格好の注目業種であろう。

2015年7月23日 記

株探ニュース

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