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【市況】富田隆弥の【CHART CLUB】 「日足、週足とも『陰転』」

◆ギリシャショックに上海ショック。同時株高で順調に高値を追ってきた世界マーケットだが、7月になり雲行きが俄然怪しくなってきた。FT、DAXなど欧州株にNYダウ、ナスダックの米国株も日足が陰転、そして上海総合、深センの中国株暴落が追い討ちとなり、日経平均株価は下値を支えてきた日足の一目均衡表「雲」や13週線(2万0100円処)を明確に割り込み、日本株も「陰転」を暗示。世界に溢れているマネーゲームの資金がリスクオフへ逆流しかねず、先行き慎重な対応が求められる。

◆目先的には、ギリシャの改革受け入れや、なりふり構わぬ中国当局の株価対策により株価は反発する可能性もある。だが、我がまま放題のギリシャがすんなり決着するとも思えず、またバブル崩壊で投資家が膨大な損失抱えた中国は、上場株式の半数を「売買停止」にするなど市場としてあるまじき対応を取ったことも禍根を残すことになろう。

◆日経平均は7月9日に1万9115円まで急落、日足の一目は「雲」を割り込み、遅行線の「雲」下限まで突っ込んだ。ここは次なる下値の節目で、乱高下しやすいSQ前で、多くの銘柄が「タグリ足」を見せたこともあり、一時的に反発しておかしくないところ。だが、割り込んだ75日線(2万0021円)や、これまで抵抗帯であった「雲」上限(2万0220円近辺)、13週線(2万0100円処)などが当面の戻りの節となり、それらをクリアしない限り「好転」の兆しも出てこない。

◆「上海ショック」で高値圏に亀裂を入れた経緯などは07年相場と酷似する。しばらくは慎重に「戻り売り」スタンスで対応したい。

(7月9日 記、毎週日曜日8時40分に更新)

情報提供:富田隆弥のチャートクラブ

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