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【市況】【コモディティー】原油価格、今後数カ月は横ばい推移 /冨田康夫 <夏の相場観>

日刊株式経済新聞 編集長 冨田康夫

 NY商品取引所(COMEX)の金先物相場は、中心限月8月物で1トロイオンス=1163.50ドル(2日)と、中心限月の終値ベースで3月18日の1151.30ドル以来約3カ月半ぶりの安値水準となった。
 原油価格は米国の原油在庫が増加に転じたことに加え、石油輸出国機構(OPEC)加盟国の生産量の増加のほか、ギリシャがIMF(国際通貨基金)の融資返済を延滞したことを受けたドル高進行などの影響で下落し、2日の米国産標準油種WTI(ウェスト・テキサス・インターミディエート)の中心限月8月物は1バレル=56.93ドルで引けた。

 原油価格が2014年6月の107ドルから明確に下落し始めてから1年が経過した。それまで、1バレル=100ドル前後で推移していた価格は、2015年3月半ばに42ドル台まで下落し、そこから上昇に転じた。5~6月は60ドルを挟んでの小幅なレンジでの推移となり、7月に入ってやや弱含みとなっている。

 OPEC(石油輸出国機構)の6月の原油生産量は前月に比べて30万バレル増の日量3160万バレルとなり、今後数カ月間はこの水準で推移する見通し。また、IEA(国際エネルギー機関)は6月月報で、2015年の世界石油需要を前年比で日量140万バレル増の9400万バレルとし、昨年の70万バレル増からさらに大幅な増産を見込んでいる。
 さらに、中国の景気減速に伴う、エネルギー需要後退も、原油の供給過剰を助長させることになりかねない。

編集企画:株経通信(株式会社みんかぶ)     【夏の相場観】特集 より

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