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【注目】富田隆弥の【CHART CLUB】 「欧米株陰転、風雨強まる高値圏」


◆世界のマーケットがギリシャに振り回されている。日経平均は6月24日に20952円まで上げたが、週明け29日は一転600円安の急落、大きな窓を空け2万0093円まで下げた。ただ、チャートは日足「雲」や13週線を下値とする上昇基調を継続。その下値ポイントに迫ったことで30日以降は3日続伸で2万0600円まで戻している(7月2日現在)。これまでのようにここからV字回復となり高値更新へ進めるのかが当面の焦点になろう。

◆ただ、7月2日米雇用統計、5日ギリシャ国民投票、10日ミニSQというスケジュール踏まえると、高値圏にきている相場だけにまだ乱高下の展開は覚悟しておくべきか。その上で、2万0100円台にせり上がってくる「雲や」13週線を維持するかを注視しておく必要もある。今回の混乱でNYダウ、独DAX、英FTの日足がいずれも陰転、そしてバブル懸念のあった中国上海株が急落。世界に溢れているマネーゲーム資金の流れが変わるなら日本株も影響は免れない。高値圏として機敏な対応が求められる。

◆ソニー <6758> 、トヨタ <7203> という日本を代表するグローバル企業が相次ぎ大型ファイナンス(増資)を発表した。株価が安値圏なら「ファイナンス=買い」となるが、今回はその逆で大きく上げ高値圏にきたところであり、正直いただけない。「ファイナンスを行うために株価を吊り上げてきた」という穿った見方が働き、払い込みを終えると「お役御免」「ファイナンス天井」となるケースを過去に多く見てきた。「個人投資家にために」(トヨタ)とアピールするほか、幹事証券もファイナンスを成功させるために「好材料」をマスコミを通じて盛んに出してくるだろう。だが、それが個人投資家のためになるかは疑問で、その口車にはあまり乗りたくない。

(7月2日 記、毎週日曜日8時40分に更新)

情報提供:富田隆弥のチャートクラブ

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