市場ニュース

戻る
 

【特集】【日本株・物色動向(2)】大幅増益で過去最高益更新の銘柄に注目 /冨田康夫 <夏の相場観>

日刊株式経済新聞 編集長 冨田康夫

 目先的な懸念材料として、5日に実施されるギリシャの国民投票に伴う波乱は想定されるものの、「夏の相場見通し」という中期的な視点に立てば、7月下旬から本格化する第1四半期(4~6月)の決算発表の内容を評価しながらのジリ高推移となる可能性が高い。
 6月24日に、ITバブル期の2000年4月につけた日経平均株価の高値2万833円を終値で更新。取引時間中では、1996年12月5日の2万943円以来およそ18年半ぶりの高値水準となった。次は19年前の1996年6月高値の2万2750円がターゲットとなる。
 日経平均株価が2万円を超えて上昇している背景には、業績の順調な回復がある。今期の予想営業利益で過去最高益を更新する銘柄も多い。その中でも会社側予想で、前期比で大幅増益を達成すると同時に過去最高益の更新が見込まれる銘柄に注目してみたい。

 共和レザー<3553>の連結営業利益は、15年3月期に前の期比40.8%増と大幅増益を達成したのに続き、16年3月期も31億円(前期比23.6%増)と連続して高成長が見込まれる。主力の自動車用表皮材は、新車種への採用拡大や、高付加価値製品の拡大が予想される。PER12倍台、PBR0.9倍台と割安水準にある。

 センコー<9069>は、冷凍物流大手のランテックのM&A(企業の合併・買収)などで3PL(サードパーティー・ロジスティクス)受託を拡大していることから、連続最高利益更新が予想される。16年3月期の連結営業利益は168億円(同23.1%増)を予想。新規受託や料金改定、M&A効果などが寄与する。PERは12倍台。

 田中商事<7619>は、電気設備業者向け電設資材などを扱う中堅商社。同社の連結営業利益は、15年3月期に前の期比24.6%増と増益を達成したのに続き、16年3月期も16億3500万円(前期比35.4%増)と連続して大幅増益を見込む。LED(発光ダイオード)関連器具が牽引し照明器具類が堅調に推移する。PERは8倍台。

 ジャムコ<7408>は、航空機内装品製造などで、ボーイング社向けの受注拡大が継続し、16年3月期の営業利益は89億5100万円(前期比31.9%増)と大幅な増益を見込まれる。

編集企画:株経通信(株式会社みんかぶ)     【夏の相場観】特集 より

株探からのお知らせ

    日経平均