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【特集】【日本株・物色動向(1)】今後3カ月は2万~2万2000円を予想 /西川雅博氏 <夏の相場観>

光世証券・執行役員 西川雅博氏

 向こう3カ月の日経平均株価の想定レンジは2万円~2万2000円と見ている。ギリシャ債務問題は波乱展開が続いているものの、日経平均株価は2000年ITバブル時の高値を超えた。ますます強気になりたいところだが、その前にFRBの利上げには注意したい。

 6月18日のFOMCの会見でも、イエレンFRB議長は「利上げはデータ次第」との従来の姿勢を維持しており、最初の利上げは9月か12月か、どちらにせよ今後発表される米国経済指標が注目される。1990年代以降FRBは3回利上げ局面を迎えており、いずれも利上げの3カ月ほど前に日本株は10%前後調整していることから、良好な米国経済指標が続くと下値警戒感の強まる展開が予想される。
 とはいえ、FRBが利上げに踏み切ることが出来るのは、米国経済が堅調であることの裏返しでもあり、利上げ警戒に伴い株安となれば絶好の拾い場と言える。

 利上げ前の混乱を乗り切れば業績相場第2幕が始まろう。123円台で推移しているドル円為替レートは、企業想定の115円より7%ほど円安であり、上方修正への期待が膨らむ水準である。また、会社予想をベースにしたPERは16倍を超えているものの、長期的水準から見ると割高ではなく、年末には日経平均2万4000円まで見込める。

 個別銘柄では、外需拡大の流れから、親会社のトヨタ自動車<7203>よりもPBR水準が割安におかれている豊田自動織機<6201>に注目したい。同社はフォークリフトのシェアが世界首位級であり、TPP交渉の進展によっては物流増加の恩恵も期待できる。

<プロフィール>

1960年奈良県生まれ。1982年早稲田大学政治経済学部卒、大和証券入社。1990年より光世証券法人部、営業部長、現在コンサルティンググループ担当。

編集企画:株経通信(株式会社みんかぶ)     【夏の相場観】特集 より

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