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【市況】【米国株】割安感乏しくリスクオフの流れに /桂畑誠治氏 <夏の相場観>

第一生命経済研究所・経済調査部・主任エコノミスト 桂畑誠治氏

 米国では、主要株価指数は高値圏で推移しているほか、バリュエーションが過去と比較して、割安感に乏しい。このようなもと、ギリシャ問題での不透明感の高まりがリスクオフの動きを強めよう。

 その後、ギリシャ問題への懸念が徐々に弱まるとみられる一方、米経済の改善持続を背景に、9月の利上げ開始期待が強まり、米株は軟調な展開が見込まれる。また、FRBが政策金利の正常化の開始や利上げペースを経済指標次第としているため、金融市場のボラティリティは高まりやすく、ファンダメンタルズに悪影響を与えよう。

 景気拡大の勢いは弱められるとみられる。また、インフレはマイナスの需給ギャップの残存、ドル高などを背景に低位安定を続けると予想され、利上げ先送り観測が強まり、下値を支えよう。NYダウは、17037.76ドルから18351.36ドル、S&P500は、1980.9から2134.72のレンジで推移すると見込まれる。

<プロフィール>

第一生命経済研究所 経済調査部・主任エコノミスト。担当は、米国経済・金融市場・海外経済総括。1992年、日本総合研究所入社。95年、日本経済研究センターに出向。99年、丸三証券入社。日本、米国、欧州、新興国の経済・金融市場などの分析を担当。2001年から現職。この間、欧州、新興国経済などの担当を兼務。

編集企画:株経通信(株式会社みんかぶ)     【夏の相場観】特集 より

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