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【市況】【米国株】企業業績好調を背景に反転上昇へ /冨田康夫 <夏の相場観>

日刊株式経済新聞 編集長 冨田康夫

 6月29日の米株式市場では、NYダウ平均株価が前週末比350ドル安の1万7596ドルと大幅反落した。これは、今年最大の下落幅で2月2日以来約5カ月ぶりの安値水準。ギリシャへの金融支援を巡る動きが決裂し、デフォルト(債務不履行)への警戒感などから日本や欧州主要株式市場の株価指数が大幅安したことに連動して下げが加速した。

 ただ、米国株に詳しい市場関係者からは「チャート面では確かに、今年3月以降につけた調整場面での下値のフシをすべて下回り、次の下値メドは2月2日の取引時間中安値の1万7037ドルとなってきた。しかし、これによってこれまであった米国株の割高感が薄らいでいるもの事実」との見方が出ていた。

 米国経済のファンダメンタルズは堅調な推移をみせており、7月上旬から本格化する4~6月期の決算発表シーズンをきっかけに、業績上方修正銘柄から見直し買いがスタートすることになりそうだ。

 米金利の年内引き上げはもはやコンセンサスになりつつあり、その時期が多少前後しても株価には大きな影響はなさそうだ。ただ、米経済の改善持続を背景に、9月の利上げ開始が接近する8月には、NYダウ平均株価が一時的に小幅調整する場面がありそうだ。

編集企画:株経通信(株式会社みんかぶ)     【夏の相場観】特集 より

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