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【通貨】【外国為替】米9月利上げの可能性も /佐藤正和氏 <夏の相場観>

外為オンライン・シニアアナリスト 佐藤正和氏

 ギリシャ情勢には、依然不透明要因大きいが、欧州は12年にユーロ危機を経験しており、ある程度の準備はあるだろう。最大の焦点はスペインなどに”第2のギリシャ”的な動きが出てくるか、どうかだと思う。

 一方、米経済は堅調であり、特に雇用関連指標は良い結果となっている。9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)まで、3回の雇用統計の発表があるが、非農業部門雇用者数は20万人超えが見込める。足もとで住宅関連指標が上向いていることも好材料だ。

 ギリシャなど不透明要因はあるが、9月の米利上げの公算は高まっているとみている。ユーロは基本的には売られやすい地合いにあるが、ショートポジションもたまっており、一定水準で買い戻しが期待できると思う。

 今後3カ月程度のドル円の想定レンジは、1ドル=119~127円、ユーロ円は1ユーロ=130~142円、ユーロドルは1ユーロ=1.07~1.15ドル前後。ドル円は9月に向け127円もあり得るとみている。

 今年は8月のジャクソンホール会議にイエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長は出席しない見通し。その分、7月15~16日に予定されているイエレン議長の米議会証言が注目されそうだ。米利上げとなれば、2006年以来のこと。当初、株式市場が下げで反応したり円高に振れたりする場面があるかもしれないが、徐々に米景気の良さを評価する動きになるだろう。

<プロフィール>

邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャーなどを歴任。通算20年以上、為替の世界に携わっている。

編集企画:株経通信(株式会社みんかぶ)     【夏の相場観】特集 より

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