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【通貨】【外国為替】9月にかけドル高見込む /山内俊哉氏 <夏の相場観>

上田ハーロー・外貨保証金事業部長 山内俊哉氏

 今後、3カ月程度のドル円相場は前半の7月から8月にかけては、ややドルの上値は重いが、後半の9月にかけて上値を試す展開を予想する。ドル円相場のレンジは1ドル=120円50銭~127円50銭を見込む。当面は125円前後が抵抗線とみられるが、8月以降、上値のフシを抜き上昇基調を強める可能性があるとみている。

 ギリシャ情勢は不透明状態が強く判断しづらいものの、国民投票で緊縮策の受け入れの結果が出て再交渉となる可能性もみている。大きな混乱があった場合、ユーロ圏挙げて対応するだろう。ただ、ギリシャがユーロ離脱の方向になる場合、そこから先は未知の世界であり、波乱要因となり得ると思う。

 7月から8月にかけては環太平洋経済連携協定(TPP)の交渉が進むなか、ドル高・円安進行は日米ともに望まないだろう。
 また、貿易赤字が縮小基調にあり、経常収支の一次所得収支も積み上がるなか、レパトリ(外国に投資されていた資金の本国還流)の動きが強まることも予想される。
 ただ、8月以降は9月の米利上げシナリオが意識されてくるだろう。9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げに踏み切る可能性は高いとみている。米連邦準備理事会(FRB)としては、金利正常化の道筋はつけておきたいと思う。ユーロの想定レンジは1ユーロ=130円00銭~141円50銭。1ユーロ=1.06~1.14ドル。基本的にユーロは下げ方向だろう。

<プロフィール>

1985年 商品先物会社入社。コンプライアンス、企画・調査などを経て1998年4月の「外為法」改正をうけ外国為替証拠金取引の立ち上げを行う。2005年7月 上田ハーロー入社。個人投資家の視点でブログなどへ各種情報の発信やセミナー講師に従事。日経CNBC「朝エクスプレス」為替電話レポートに出演のほか、金融情報サイトなどへの情報提供などでも活躍している。

編集企画:株経通信(株式会社みんかぶ)     【夏の相場観】特集 より

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