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【特集】【日本株・ストラテジー】米株安・米ドル波乱を警戒 /馬渕治好氏 <夏の相場観>

ブーケ・ド・フルーレット代表 馬渕治好氏

 国内株価は、夏場は調整色を強めようが、年末に向けた再謄の準備期間と位置付けられる。調整の悪材料は国内には見出しにくく、米国発だろう。

 米国株はPERなどの価値尺度で見て高すぎる。また米ドルも、購買力平価などと比べてかなり高位にある。この米株高・米ドル高は、経済が世界で最も安定している米国を買おう、との動きが行き過ぎたもので、その反動が懸念される。また米株のPERの高さは、依然金融相場の色合いが濃いためとも解釈できるが、いずれは企業収益の増大を裏付けとした業績相場に移行できると予想するものの、その前の中間反落という「試練」をくぐり抜ける必要がある。連銀の利上げ自体は恐れる必要は薄いが、それを材料としての米国株価の波乱はありうる。

 夏場に想定される米株安・米ドル安をくぐり抜ける、国内株の物色としては、海外勢の売りが出やすい大型株より小型株が、円高に振れた際の影響が出やすい輸出株より国内消費回復の流れに沿った内需株が、選好されるだろう。また中長期的には、大型輸出株に売りが嵩む局面があれば、そこで安値を拾って年末に向けての戻りを享受する、という手法も有効だと考える。

<プロフィール>

1981年東京大学理学部数学科卒、1988年米MIT修士課程終了。米国CFA(証券アナリスト)。マスコミ出演は、株式経済新聞、ストックボイス、日経CNBC、テレビ東京、ラジオ日経など多数。日本経済新聞夕刊のコラム「十字路」の執筆陣のひとり。

編集企画:株経通信(株式会社みんかぶ)     【夏の相場観】特集 より

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