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【特集】【日本株・ストラテジー】2005年のブルマーケットを想起 /オレグ ジュラヴリョフ氏 <夏の相場観>

シェアードリサーチ代表取締役 オレグ ジュラヴリョフ氏

 全体相場はここまでの地合いを見る限り強い足取りであり、今回のギリシア問題で予想以上の警戒や世界的なリスクオフにならない限り、夏から秋口にかけてもこの強力なモメンタム相場が継続する可能性が高いとみている。トレンドは2005年当時のブルマーケットとよく似ている。

 しかし、当時と比較しても株価指標面から割高感はなく、足もとは機関投資家の「持たざるリスク」がクローズアップされるとともに、それに追随するかたちで個人投資家の物色意欲が盛り上がりをみせ、ラリー相場の様相を強めそうだ。

 05年は平均PERが22倍前後だったが、対して現在は16倍台、平均PBRも2倍弱に対して1.4倍台といずれも低い水準に位置している。つまり、バリュエーションサポートが利いている点で過熱感が緩和される強みがある。また、ROEは当時日経225ベースで8.7%に対し、現在は9.8%とそれを上回っており、企業価値が上昇する一方で株価指標面ではより割安圏にあることから、水準的にもここからの上値追いに妥当性がある。

 日経平均の上値については、年内2万5000円ラインまで戻しても不思議はない。展開によってはそこをさらにオーバーシュートする可能性もあるとみている。物色対象としては、05年相場と比較して明らかに出遅れ感の強い銀行株が要注目だ。また、外国為替相場で今後も日米金利差などを背景に円安傾向が維持された場合、主力輸出株には円安メリットが株価面に完全に織り込まれていない部分も多く、自動車株や電子部品株なども改めて見直し対象に浮上する可能性があろう。

<プロフィール>
1997年にINSEAD(欧州経営大学院)でMBA 取得。1998年にフィデリティ投信株式会社にてアナリストとして勤務。2003年にガートモア・アセットマネジメント株式会社(現ヘンダーソン・グローバル・インベスターズ・ジャパン)に転じアナリスト、ファンド・マネジャーを務める。2009年に株式会社シェアードリサーチを設立する。

編集企画:株経通信(株式会社みんかぶ)     【夏の相場観】特集 より

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