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【特集】【日本株・ストラテジー】高値圏でのもみ合い推移も /清水三津雄氏 <夏の相場観>

日本アジア証券・エクイティ・ストラテジスト 清水三津雄氏

 東京株式市場は、夏場から秋口に向けて、高値圏でのもみ合いを見込んでいる。今後3カ月程度の日経平均株価の想定レンジは1万9000~2万2000円前後を予想する。

 ここまで株式相場は利益水準に沿った形で順調に上昇してきたが、当面の上値余地は徐々に小さくなりつつあると思う。足もとでギリシャ不安も出ている。株価の一段の上昇には利益のさらなる増加が必要だ。ただ、7月下旬から本格化する第1四半期(4~6月)決算では、業績を上方修正する企業はまだ多くはないだろう。

 また、今後、国会で安保法制の審議が始まり、政治色が濃くなりそうなほか、今秋には日本郵政グループの株式上場が見込まれ、株式需給が緩む懸念もある。

 さらに、中国懸念に加え米国が利上げに踏み切る可能性もある。今後、徐々に慎重要因は増える一方で、買い材料が不足してくるともみられる。

 もっとも、たとえ2万円割れの水準に下落したとしても、下値には買いが入るだろう。

 注目セクターは、金利上昇により利ざや拡大が見込める三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>などのメガバンクや保険株。村田製作所<6981>など好業績の電子部品株、ダイフク<6383>など設備投資関連株。

 マイナンバー関連では、官公庁比率が高く人材派遣や業務請負での需要が期待できるキャリアリンク<6070>などに注目しているほか、ロボット関連のCYBERDYNE<7779>にも期待したい。

<プロフィール>

1987年コスモ証券(現、岩井コスモ証券)入社。リテール・ホールセール営業、国内外の株式ディーラー・トレーダーを歴任し、投資調査部副部長。2014年11月日本アジア証券入社、現職。歯切れの良さと分かりやすい説明に加え、ピンポイントの銘柄分析に定評がある。「ラジオNIKKEI」「日経CNBC」「ストックボイス」にレギュラー出演。

編集企画:株経通信(株式会社みんかぶ)     【夏の相場観】特集 より

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