市場ニュース

戻る
 

【特集】【日本株・ストラテジー】“歴史的な半値戻し”で2万3000円奪回が目標に /冨田康夫 <夏の相場観>

日刊株式経済新聞 編集長 冨田康夫

 東京株式市場は先週、ITバブル期の2000年4月につけた日経平均株価の高値2万833円を終値で更新。取引時間中では、1996年12月5日の2万943円以来およそ18年半ぶりの高値水準となった。

 短期間で急騰を演じているだけに、目標達成感から買い手控え姿勢が強まり、しばらくはもみあい状態も想定されるものの、株式需給の改善や、政府の新たな成長戦略が支援材料となって上値を目指す展開が予想される。

 日経平均株価が2万円の大台に乗せてきた背景としては、企業業績の改善と、その好業績を反映した賃金引き上げや、増配、自社株買いなど広い意味での株主還元の積極化がある。さらに、設備投資拡大に伴う資金の好循環などもあげられる。こうした企業業績向上を牽引しているのが、異次元とされる金融緩和策継続によってもたらされた外国為替市場での円安進行や、原油価格低下に伴う大幅な採算の改善だ。

 大手証券の企業業績見通しを平均すると、16年3月期は、全業種(除く金融)の最終利益の増益率が前期比15%増程度と見込まれている。16年3月期の日経平均株価の1株利益を1400円程度と想定した場合、PER16倍で2万2400円、同17倍で2万3800円程度まで買い進まれる可能性がある。

 さらに、この日経平均株価の水準を歴史的な視野から見れば、26年半前の1989年12月の過去最高値3万8915円から、2009年3月のバブル後最安値7054円までの押し幅の半値戻し水準に相当する2万3000円の奪回が現実味を帯びてきたということになる。

編集企画:株経通信(株式会社みんかぶ)     【夏の相場観】特集 より

株探からのお知らせ

    日経平均