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【市況】新興市場見通し:指数はこう着感強いが、好業績銘柄を中心に買い安心感広がる


先週の新興市場は、日経平均が週初に米株高の流れで上昇後こう着感を強めるなか、主力大型株に投資家の関心が向かい、相対的にパフォーマンスは低調となった。決算などの個別材料を手掛かりに買いが向かったものの、物色は広がりを欠いた。なお、週間の騰落率は、日経平均が+1.8%であったのに対して、マザーズ指数は+0.7%、日経ジャスダック平均は+0.2%だった。マザーズ指数は決算発表のあったミクシィ<2121>の株価に振らされる展開となった。

個別では、ミクシィが週間で8.1%高となった。12日引け後の決算発表前から買われ、発表翌日には利益確定売りで値を消す場面も見られたが、市場想定線とはいえ堅調な利益成長が好感されている。また、そーせいグループ<4565>も今期の大幅な増収増益見通しを受けて同42.7%高と大きく上昇した。一方、サイバーダイン<7779>は同0.8%安、前週上昇の目立ったペプチドリーム<4587>も同5.4%安と軟調だった。ジャスダック主力では、上期決算とともに通期業績予想の上方修正を発表した日本マイクロニクス<6871>が同12.3%高、主力ゲームの国内展開への期待感からガーラ<4777>が同27.1%高となった。また、ガンホー<3765>が同0.2%高だった一方、日本通信<9424>は同1.9%安と軟調だった。その他、個別材料のあった中小型のジャスダック銘柄が買われ、日本エマージェンシーアシスタンス<6063>、P&P HD<6068>、アテクト<4241>、高橋カーテンウォール工業<1994>、小野産業<7858>、プロルート丸光<8256>などの上昇が目立った。直近IPO銘柄では、需給妙味の大きいテラスカイ<3915>などが活発に売買された。また、テーマ株は全般軟調だったものの、ITbook<3742>はフルキャストHD<4848>との提携が伝わり急伸する場面があった。

今週の新興市場では、外部環境への警戒感もあり、引き続きマザーズ指数や日経ジャスダック平均はこう着感の強い展開となることが見込まれる。ただ、今期の業績拡大見通しが示された銘柄や期中の高進捗が確認された銘柄を中心に安心感が広がり、改めて買いが向かうことも想定される。日経平均が緩やかに上昇するなど相場の地合い改善が意識される局面では、中小型株にも積極的にリスクを取りにいく動きが見られるだろう。

前週末に発表された主な企業の決算では、前期業績の計画上振れや今期の大幅増収増益見通しからITbookやイマジニア<4644>、第1四半期が高進捗で推移しているショーケース・ティービー<3909>がポジティブな印象。一方、ファーマフーズ<2929>は今期業績予想を下方修正しており、ネガティブ視される可能性がある。また、今週は5/18にミューチュアル<2773>、5/19にフライトHD<3753>、JALCO HD<6625>、ニュートン・ファイナンシャル・コンサルティング<7169>などが決算発表を予定している。

IPO関連では、6月の新規上場企業としてヘリオス<4593>(6/16)、スマートバリュー<9417>(6/16)、マーケットエンタープライズ<3135>(6/17)、デジタル・インフォメーション・テクノロジー<3916>(6/18)の4社が発表された。特にiPS細胞技術を応用した再生医薬品を手掛けるヘリオスが有力バイオベンチャーとして注目を集めている。前回記載したとおり、6月は11社程度のIPOがあると伝わっており、今週も新規上場企業の発表が続くだろう。

《TN》

 提供:フィスコ

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