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【特集】<話題の焦点>=株主還元策を積極化、自社株買いと増配で中期計画発表

 15年3月期決算と16年3月期業績予想の発表が佳境を迎える。今後の業績見通しが株価の行方を左右するのは当然ながら、収益向上と並んで投資家の関心を集めるのが株主還元に対する企業姿勢の変化だ。自社株買いによる株式価値向上や、中期的な視野に立った増配計画など積極的な株主還元策を打ち出している企業に注目した。

 富士フイルムホールディングス<4901>は、医療機器と医薬品で構成するヘルスケア、電子材料などの高機能材料、傘下の富士ゼロックスによる事務機器を中核として構造改革を進めている。14~16年度の中期経営計画で、配当と自社株買いを合わせ3カ年で総額2000億円強の株主還元を実施することを公表。

 キーエンス<6861>は、自動制御機器、計測機器、情報機器、光学顕微鏡・電子顕微鏡などを手掛ける。同社は15年3月期上期決算で、年間の1株当たり配当金を60円から200円まで増配することを発表している。

 カシオ計算機<6952>は、「Gショック」などの腕時計や、電子辞書、デジカメなどを手掛ける。同社は、配当総額約80億円、実施済みの自社株買いを合わせた株主配分を約200億円と、前期の予想純利益(230億円)の約90%を株主に還元する計画。

 サンゲツ<8130>は、今後3年間、純利益の100%以上の株主配分(配当・自社株買い)を計画している。青山商事<8219>は18年3月期を最終年度とする中期経営計画で、連結総還元性向130%を目処とした配当と自己株式取得を実施する方針を公表している。

◆主な株主還元積極化銘柄

銘柄(コード)   営業増益率    株価      PER

富士フイルム<4901> 20.7    4671.5  20.4
キーエンス<6861>  19.3  6万4060    32.1
カシオ計<6952>   37.3    2440    24.7
サンゲツ<8130>  ▼18.5    1896    16.4
青山商<8219>   ▼17.7    4090    21.4

※株価は23日終値(単位:%、円、倍)


出所:株経通信(株式会社みんかぶ)

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