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【経済】中国自動車業界に「IoV」の波、ネット企業と提携活発


モノのインターネット「Internet of Things(IoT)」を自動車分野に特化した
「Internet of Vehicles」(IoV)が、次世代市場を攻略するためのキーワードとし
て中国の自動車業界でクローズアップされている。足元では、自動車メーカーがイン
ターネット企業と提携する動きが活発化。IoT事業に続々と着手している。中国経済
網が15日付で伝えた。
上海汽車集団は昨年7月、中国Eコマース最大手の阿里巴巴集団(アリババ・グルー
プ)とスマートカー分野における戦略提携関係を締結。“インターネットカー”との
コンセプトを打ち出した。アリババのオペレーティングシステムやクラウド技術を、
自社の自動車生産・販売分野に活用させる考えを明らかにしている。その後、北京汽
車が楽視網との提携を発表。続いて、東風汽車集団(489/HK)と重慶長安汽車
(200625/SZ)が通信設備で中国最大手の華為技術公司と相次いで業務提携契約を交
わし、中国の4大自動車メーカーがこぞってIoT事業に参入した。
さらに奇瑞汽車も、スマート電気自動車(EV)の開発に着手すると発表。北京を
拠点にモバイル端末を通じたハイヤー配車サービスを手がける易到用車、テレマティ
クスサービス分野で中国の草分け的な存在である博泰集団との共同で事業を推進する
ことを明らかにした。博泰集団が車両のスマート化分野を担当し、開発したEVを易到
用車のプラットフォームを通じてリース展開する??との事業構想を明らかにしてい
る。
もっとも各社が掲げるIoT戦略について専門家は、「全体構造がぼやけていて、具
体的な拠り所に欠けている」と指摘。すでに細かな技術分野で応用が始まっている
「テレマティクス」と比べると、なお一つの“概念”としての域を超えない??との
考えを語った。
中国のIoT市場は、2014年通年で100億人民元(約1900億円)にまで拡大した。14
年の普及率は、10年の4%から7.5%(↑%)に上昇している。中国の自動車保有台数
が1億台を大きく超えるなか、今後の成長も確実。インターネット車内設備の需要増
が予期される状況だ。

【亜州IR】

《ZN》

 提供:フィスコ

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