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【経済】NYの視点:来週はギリシャ、イエレンFRB議長議会証言が焦点


2月10日付けのシカゴIMM、投機・投資家筋のポジションで円の売り持ち高は減少し、日本銀行が量的・質的緩和を実施する前2012年11月以来で最小となった。市場の円売り持ちが減少したことは円の下落余地を広げる。

■来週のポイント

対ギリシャ国際救済策が最終合意されるかどうかを睨んだ展開となる。また、今後の米国の金融政策を探る上ではイエレンFRB議長の半期に一度の金融政策および経済情勢に関する議会証言に注目が集まるほか、10-12月期国内総生産(GDP)改定値も相場材料となる。

●ギリシャ

23日:ギリシャは具体策のリストを提出
24日:国際関係機関が意見を表明
28日:対ギリシャ国際救済策期限

欧州連合(EU)はユーロ圏財務相会合で、2月末で失効する対ギリシャ金融支援を4カ月延長することで合意した。条件の中で、ギリシャに対する財政緊縮策などで柔軟性を認めることにより合意に達した。ギリシャは改革案のリスクを23日までに提出。24日までに国際関係機関が意見を表明する。ただ、このリストが拒否された場合、ギリシャは再び危機に陥る可能性も残される。ショイブレ独財務相も条件が満たされるまで、資金の供給をしないことを再確認。最終合意まで予断を許せない状況は続く。

●米国

24日:イエレンFRB議長が上院銀行委員会で金融政策および経済情勢に関する半期に一度の議会証言
25日:25日に下院金融委員で金融政策および経済情勢に関する半期に一度の議会証言
26日:ロックハート・アトランタ連銀総裁が米国の経済見通しに関して演説
27日:メスター・クリーブランド連銀総裁が金融政策に関して演説、フィッシャー米FRB副議長が金融政策に関して演説、10-12月期国内総生産(GDP)改定値:予想2.1%(速報値+2.6%)

米連邦準備制度理事会(FRB)が公表した1月開催分の連邦公開市場委員会(FOMC)議事録で、メンバーが利上げに関して予想に反して慎重になったことが明らかになった。市場はこの議事録の中で、次回3月会合でフォワードガイダンスの「辛抱強く」の文言を除外し6月の利上げに向けた方針が示されると予想していた。

同時に、この会合が、非常に強い1月雇用統計の発表前に開催されたことから、6月の利上げの可能性は除外されたわけではないとの見方も存続。イエレンFRB議長の金融政策および経済情勢に関する半期に一度の議会証言で、利上げの時期を確認していくことになる。1月のFOMC以降に発表された雇用統計が非常に強かったことや原油価格の反発を受けて、イエレンFRB議長は経済や雇用に関して強気の見方を示し6月の利上げ観測を示唆する可能性もある。反対に議長が議事録を支持する景気見通しを示すと、利上げ先送り観測にドル売りに拍車をかける。

●地政学的リスク

ウクライナ紛争:15日から停戦
ガザ紛争
イラク、イスラム過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」
シリア
イエメン

【2/10IMM】

*日本円
ネット・円売り持ち:-49,091(2/17)←円売り持ち:-55,124(2/10)(直近ネット円買い持ち最高水準:08年3/25+65,920、04年2/6+64499)(過去最高ネット円売り持ち高:07年6/26-188,077)

*ユーロ
ネット・ユーロ売り持ち:-185,582(2/17)←ユーロ売り持ち:-194,641(2/10)(07年5/15:+119,538過去最高買い持ち高、10年2/9-57,152過去最高の売り持ち高)

*ポンド
ネット・ポンド売り持ち:-28,798(2/17)←ポンド売り持ち:-38,603(2/10)(07年7/22:直近ネット買い持ち高最高水準+98,366)

*スイスフラン
ネット・スイスフラン売り持ち:-6,044(2/17)←スイスフラン売り持ち:-5,486(2/10)(過去最高スイスフランネット売り持ち高:07年6/19:-79,331)

*加ドル
ネット・加ドル売り持ち:-32,842(2/17)←加ドル売り持ち:-33,333(2/10)(直近ネット買い持ち高最高水準:07年10/12+83001)

*豪ドル
ネット・豪ドル売り持ち:-53,831(2/17)←豪ドル売り持ち:-53,182(2/10)

*NZドル
ネット・NZドル売り持ち:-5,753(2/17)←NZドル売り持ち:-6,200(2/10)

*メキシコペソ
ネット・ペソ売り持ち:-45,445(2/17)←ペソ売り持ち:-49,235(2/10)(直近買い持ち高最高:08年2/29+125,000)

《KO》

 提供:フィスコ

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