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【市況】【杉村富生の短期相場観測】

「国策に逆らうな!が株式投資のセオリー」

●オクトーバー・サプライズ“4連発”!

 いや~、すごい相場である。猛烈な反騰劇が演じられている。そう、流れは一瞬に変わる。この動きに売り方は真っ青ではないか。

 まさに、オクトーバー・サプライズである。かつて、10月は暗黒の木曜日(大恐慌の始まり)、ブラックマンデー、リーマン・ショック後の株価暴落など、「多難な月」(悪材料出現)として知られていた。しかし、今後はサプライズの使われ方が変化する(好材料出現の10月?)ことになろう。

 10月下旬以降、補正予算(4兆円規模)の編成方針、GPIFの運用体制の見直し(日本株の組み入れ比率を12%→25%に、同様に国内債券を60%→35%に、海外株式を12%→25%に、海外債券を11%→15%に)、日銀の追加の金融緩和(国債の買い入れ額を20~30兆円増の80兆円に、ETF、REITの買い入れ額を3倍に)などが矢継ぎ早に打ち出されている。

●政策目標は円安→株高を狙う!

 これを受け、為替(円・ドル)は一時1ドル=114円台に突入するなど、大幅な円安に振れている。まさしく、「バズーカ砲“4連発”」である。

 安倍政権、および黒田日銀総裁は日本再生→失われた20年の克服、デフレ脱却(インフレ率目標2%達成)、円高阻止を断固推進する考えであろう。

 この局面において、アベノミクス、異次元の金融緩和の効果を帳消しにしてはならない。いや、政府、金融当局の政策目標は共通している。安倍首相の行動はぶれない。そして、潮流(トレンド)はインフレ→円安→株高(資産インフレ)に向かっている。

 これが国策である。古来、国策に逆らうな!という。

 筆者はここ数年、2011~2012年の川底の金貨を拾おうじゃないか!のキャンペーンに続き、いつまでもあると思うな、親と円高、そしてデフレ!アベクロバブル相場に乗り遅れるな!さらに、長生きのリスク、少子・高齢・貧乏化社会の到来、インフレ・大増税時代に備えよ!と主張してきた。現在、指摘通りの状況になりつつある。

●1万8261円奪回を目指す!

 日経平均株価は早い段階(15年前半)に金融危機(サブプライムローン・ショック、リーマン・ショック、ユーロ不安)前の高値(07年7月9日の1万8261円)を奪回するだろう。

 すでに、NYダウは金融危機前の高値(07年10月9日の1万4164ドル)を23%上回っている。日経平均株価は出遅れが著しい。この修正があろう。

 もちろん、株高の要因は政策対応だけではない。企業も変わった。この20年の間に損益分岐点は急低下(収益力の向上)、財務内容は大きく改善されている。

 14年3月期では3社に1社が史上最高の決算となり、2社に1社が増配・復配を行った。さらに、14年度上期の自社株買いは前年同期比57%増の1.4兆円と急増している。この株主優遇姿勢は評価できる。

●広範囲の銘柄が買われる展開に!

 物色面はどうか。やはり、この局面では王道銘柄を攻めるのがセオリーだろう。具体的にはトヨタ <7203> 、みずほFG <8411> 、アイフル <8515> など。売買ランキングの上位銘柄がターゲットになる。

 小物ではエアーテック <6291> 、ADプラズマ <6668> [東証M]、ミクシィ <2121> [東証M]、JIA <7172> [東証M]などに妙味があろう。

 朝日ラバー <5162> [JQ]、エスクロAJ <6093> [JQ]、ファーマF <2929> [東証M]、アサカ理研 <5724> [JQ]なども抜群に強い。物色意欲はきわめて旺盛である。

 とりあえず先導役は王道銘柄だが、個人投資家好みの新興市場の銘柄まで広範囲に買われるだろう。

2014年11月5日 記

(「チャートブック日足集」No.1545より転載)
(「株探」編集部)

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