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【市況】【杉村富生の短期相場観測】


「常に波乱はチャンス!突っ込み買いの好機!」

●売られすぎゾーンに突入!

 9月下旬以降、株式市場は大荒れの展開となったが、今後は徐々に落ち着きを取り戻すのではないか。

 日経平均株価は10月17日に1万4529円の安値(ザラバベース)まで売り込まれた。9月25日の高値1万6374円比の下落率は11.3%となる。これは完全に売られすぎである。

 この安値水準はボリンジャーバンドのマイナスⅡシグマに相当する。4月11日の安値1万3885円、8月8日の安値1万4753円に匹敵するレベルである。10月17日には騰落レシオが69.4%と、異常値を記録している。

 一方、NYダウは10月16日に1万6117ドルの安値をつけた。9月19日の高値1万7279ドル比の下落率は6.7%となる。

●悪材料の多くが売りの“口実”?

 マーケットでは世界景気の減速懸念、ヨーロッパでの主要銀行130行に対するストレステストの結果などを気にしている。
 このほか、再三指摘しているように13項目もの気掛かり材料がある。しかし、これらの不安要因の多くが「何を今さら…」の感が強い。恐らく、株価下落が言わせている面があろう。

 すなわち、材料はあとから貨物列車に乗ってやってくる!の図である。悪材料の続出に脅える必要はない。こんなところは黙って買う場面ではないか。

 FOMC(10月28~29日)では予定通り、QE3を終了させるだろう。市場筋では「2010年6月、2011年6月のQE1、QE2終了時にはNYダウが各15%下げた。今回は下落率が足りない」との声がある。

 しかし、これは違うと思う。当時と現在ではアメリカ景気の強さが異なる。

●株価急落は需給要因によるもの!

 ここでの株価急落は主に需給要因である。10月はミューチュアルファンド、11月はヘッジファンドの決算があって、いつもこの時期の相場は荒れる。

 彼らの利益確定売り、売り仕掛けがあった。なにしろ、1週間に先物、現物を合わせて1兆円ペースの売りである。これを国内勢では吸収できない。そう、需給の悪化は株価調整によってのみ是正される!そうなっている。

 エボラ出血熱騒動、世界景気云々は売るための“口実”にすぎない。彼らは不安をあおり立て、弱気筋と共鳴を図ろうとする。

 だが、こんなギョッとするような局面を買わないと、大きく取れない。すなわち、常に波乱はチャンス!である。

 それに、パニックは政策の母!という。マーケットが動揺し、人々がパニックに陥るたびに政策対応は強化される。これが歴史の教訓である。

●ヘッジファンドの解約売りは一巡!

 需給面ではヘッジファンドの解約売りが一巡、今後はGPIFの買いが期待できる。
 11月末を解約基準日とするヘッジファンドの多くが解約申し込み受付期限を45日前に設定している。いわゆる「45日ルール」である。

 このルールに従えば、解約売りのピークは10月15~17日だったと推測される。もちろん、新たな売り仕掛け、戻り売り圧力はあろう。

 ただ、FRBはQE3を終えてもすぐに利上げというわけではない。4.5兆ドルに膨らんだ総資産は当分、放置されるだろう。ECBはQEの断行が不可欠である。日本は補正予算の編成、日銀の追加の金融緩和が求められている。

 さて、ここでの狙い目は? やはり商い面を考慮しソフトバンク <9984> 、飛島建 <1805> 、小物ではファーマF <2929> [東証M]、フォーカス <4662> [JQ]、シーシーエス <6669> [JQ]などに妙味があろう。

2014年10月22日 記

(「チャートブック日足集」No.1543より転載)

(「株探」編集部)

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