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【市況】【杉村富生の短期相場観測】


「肝要なのはリスク・マネージメントを徹底すること!」

●現金比率を高めておけ、と主張してきたじゃないか

 古来、波乱はチャンス!という。しかし、リスク・マネージメント(相場の性格、水準、方向によって、現金比率を調整する)を徹底していないと、肝心なときに、鯨3文と言われても銭がなければ買えぬ!状況に陥る。

 当コラムでは9月初旬以降、「変化の予兆を見逃すな」とし、「目先は警戒を要する」と指摘、「利食いを優先し、現金比率を高めておけ」と主張してきた。これがリスク・マネージメントの基本である。

 もちろん、これは短期的な視点であり、長期的な視点では何ら不安がない。したがって、ここからは買い下がり・突っ込み買い作戦が有効だろう。

 しかし、あわてることはない。じっくりと買い場を探ってほしい。というのは、いまだに内外に波乱の“火種”が残っているためだ。

●波乱の“火種”とは何か?

 その“火種”とは? 不吉な数字だが13項目ある。

 すなわち、(1)季節的に、この時期はNY市場が荒れる、(2)為替(円安)は目先、ピークアウト、(3)外国人が円買い・株先売りを目論む、(4)消費税率の再引き上げに延期論が台頭、(5)新興市場の人気銘柄が利食い先行に、(6)メガバンクに新たな自己資本比率規制導入の動き、(7)LINE上場が先送り。

 (8)世界景気、日本景気の先行きに暗雲が漂う、(9)太陽光発電の電力買い取りに5電力が難色を示す、(10)特定複合観光施設整備推進法案(カジノ解禁)が迷走、(11)香港の民主化デモ→地政学上のリスクが高まる、(12)欧州の債券価格が急伸(金利低下)→デフレ突入、(13)エボラ出血熱が大流行の兆し――など。

●長期的な視点ではまったく心配無用だが…

 確率的にはこれらの悪材料が顕在するリスクは低いと思う。とはいえ、これが“変化の予兆”であり、こんなときには慎重に対処するに限る。

 それが筆者の“主義”(投資術)である。現金比率を高めておいてこそ、暴落時に買い出動できる。そうでないと、ないそでは振れないチャンチャンコ!と相成る。

 一方、長期的な視点ではまったく心配していない。日経平均株価は中・長期的に金融危機前の高値(2007年7月9日の1万8261円)奪回を目指している。“アベクロバブル”相場はいよいよ最もおいしい3年目に突入する。

●ノーベル賞受賞とLED関連銘柄!

 さて、この局面での好材料(ビッグニュース)としては2014年のノーベル物理学賞受賞がある。

 今回、名城大の赤崎勇教授、名古屋大の天野浩教授、カリフォルニア大サンタバーバラ校の中村修二教授の3氏が青色LEDの開発が評価され受賞した。これは日本経済、社会にとって、希望を与えてくれる出来事である。

 最近の受賞例をみると、2008年が物理学賞、化学賞、2010年が化学賞、2012年が生理学・医学賞となっている。その後、新興市場がフィーバーを演じている。さて、今回はどうなるだろうか。

 ちなみに、LED関連銘柄としては豊田合 <7282> 、シーシーエス <6669> [JQ]、トリケミカル <4369> [JQ]、遠藤照明 <6932> 、星和電 <6748> [東証2]、朝日ラバー <5162> [JQ]などをピックアップできる。

 このほか、スタンレー <6923> 、大陽日酸 <4091> 、シチズンHD <7762> 、サンケン <6707> などもLED関連銘柄である。地合いさえ、良かったならばもっとフィーバーしたと思う。

 まあ、泣く子と地合いには勝てない!のが相場の世界である。

2014年10月8日 記

(「チャートブック日足集」No.1541より転載)
(「株探」編集部)

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