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【特集】日本トリム Research Memo(4):遺伝子分野は業績が急上昇中、再生医療分野へも進出


■2014年3月期上半期のトピックス

(2)医療関連事業

a.医療用整水器事業
日本トリム<6788>の医療用整水器は、血液透析に使用される透析液希釈水の製造用に販売。人工透析に必要な大量の水を電解水素水に置き換えることによって、治療時の酸化ストレスや炎症を抑え、その結果、透析時における患者の副作用を抑制し、生活の質を改善することを目的としている。

同事業では、独立行政法人科学技術振興機構などから230百万円の補助金を受け、研究プロジェクトがスタートした。

また、「多人数用電解水透析システム」を10月に1台納入、12月にも1台を納入する予定となっている。これにより現在は国内12病院103床での導入が、14病院約200床に拡大する見込みである。

b.遺伝子分野
米国で事業化している。現地の連結子会社であるTRIMGEN CORPORATION(トリムジンコーポレーション)では、独自開発した変異遺伝子検出キットを現地の検査会社 に供給している。これは、薬による副作用や医療事故のリスク低減などを目的に、抗がん剤や抗凝血薬などの薬剤応答性を遺伝子診断により調べるのに使用されている。

2014年3月期上半期では業績が急上昇した。同第2四半期累計で2013年3月期通期に比べ、売上高で2.4倍、営業利益で 2.9倍となった。詳細な数字については、次の2014年3月期第2四半期業績の項目で説明する。

また、供給先の検査会社は現在のサウスカロライナ州に加え、ニューヨーク州での保険適用が認められた。今後新たな市場での事業展開が見込まれる。

加えて、日本での事業スタートに向けた第一歩を踏み出した。事業を統括するトリムジン ホールディングス(本社:東京都千代田区)が10月に大阪・梅田に大阪オフィスを設置。これを日本における営業拠点として日本での事業に本格的に乗り出し、将来はトリムジン ホールディングスの上場を目指すとしている。

c.再生医療分野
9月に民間の臍帯血バンクで90%のシェアを持つ株式会社ステムセル研究所の株式の50.1%を、ベンチャーキャピタルなどから現金及び自社株により817百万円で取得し、連結子会社化。これにより国内の臍帯血バンクに進出した。

臍帯血は、幹細胞が豊富に含まれることが広く知られており、再生医療や細胞医療に活用されることが期待されている。ステムセル研究所の臍帯血バンクは民間出資によるもので、「私的バンク」と呼ばれる。将来、乳幼児や家族が病気になった場合に治療を目的として使用するために臍帯血を長期間にわたり保管する。国も臍帯血バンクを運営しているが、これは無償である代わりに提供者が自分の臍帯血を使えない。

ステムセル研究所の収益源は、保管サービスによるサービス料。1件あたり21万円(処理費用16万円、10年間の保管料5万円。保管は10年ごとに更新可)の費用の徴収が収益となる。

ステムセルは無借金経営で、収益状況は臍帯血医療の重要性・有効性が社会に広まるのに伴って拡大していく見込み。2013年6月期で売上高が741百万円、営業利益が165百万円、経常利益が165百万円、当期純利益が163百万円となっている。決算期については既に3月決算に変更されている。

ちなみに臍帯血は、既に白血病、再生不良性貧血、先天性免疫不全症、先天性代謝異常症、悪性リンパ腫などの治療に実用化されている。さらに海外では、脳性麻痺、低酸素虚血性脳症、外傷性脳損傷、I型糖尿病、脊髄損傷、難聴などの病気やけがに対する治療として、臨床試験が行われている。

研究段階としては、慢性肺炎、パーキンソン病、脳梗塞、水頭症、アルツハイマー病の治療のほか、肝臓などの再生がある。

このように治療が不可能か、あるいは極めて難しい疾病やけがの根本治療に臍帯血の応用が期待されている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柄澤 邦光)

《FA》

 提供:フィスコ

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