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田部井美彦氏【遂に日経平均2万2000円突破、強気相場の行方は】(2) <相場観特集>


―リスクオン継続で上昇加速、10連休絡みで失速はあるか―

 週明け15日の東京株式市場はリスク選好の流れが一段と強まり日経平均株価は心理的なフシ目である2万2000円ラインを大きく上回ってきた。中国をはじめ景気減速懸念が後退するなか世界的に長期金利が上昇傾向、外国為替市場では円安が進行するなど強気を後押しする材料が目立ってきた。ただ、これから日本では10連休 を前に機関投資家や個人が積極的な買いポジションを維持することは難しいとの見方もある。今ここで選択するべき投資スタンスについて第一線で活躍する市場関係者に意見を求めた。

●「日経平均は2万1500~2万2500円で推移」

田部井美彦氏(内藤証券 投資情報本部 投資調査部長)

 今週の東京株式市場は、来週から本格化する3月期決算企業の業績発表を前にして、持ち高調整の売りが優勢となりそうだ。また、米ワシントンで現地15~16日に開催予定の日米物品貿易協定(TAG)交渉での米側の姿勢に対する警戒感も想定され、外国為替市場では円高進行懸念も浮上しそうだ。トランプ米大統領が9日、欧州航空機大手エアバスに対する欧州連合(EU)からの不当な補助金で損害を被ったとして、EUからの輸入品110億ドル相当に関税を課すと表明したこともあり、日米間での協議も難航が予想される。

 更に、米では今週から、日本では来週からそれぞれ主要企業の決算発表が本格化してくる。多くの日本企業は、20年3月期の業績見通しを保守的に想定してくるとみられるなかで、ガイダンスリスクを回避するための持ち高調整の売りが予想される。更に、4月下旬から5月上旬に掛けての異例の10連休を前にして、期間中に海外株式相場や外国為替市場が波乱展開となった場合へのリスク回避のポジション調整も想定される。従って、今後1ヵ月程度先までの日経平均の想定レンジは上値2万2500円、下値2万1500円程度のボックス相場で推移しそうだ。

 個別銘柄では、自動車部品国内最大手のデンソー <6902> に注目したい。トヨタ自動車 <7203> 向けはもとより、それ以外の海外メーカー向けに外販を積極化している。特に中国のローカルメーカー向けの市場開拓を目指している。また、電気自動車の普及加速、自動運転車の実用化進展、より高度な安全性確保などを実現するため“自動車の電装化比率”は向上を続ける見通しで、同社にとって構造的な成長要因が持続する。PERは12倍台と割安水準にある。

 二つ目は、米国のフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)がこのところ堅調な推移をみせるなかで、半導体、太陽電池の製造に必要な化学材料を製造販売しているトリケミカル研究所 <4369> に注目したい。同社は、研究開発に裏付けられた高い技術力を背景に、半導体製造向けなどに多品種少量生産で顧客のニーズに応え、13年1月期以降着実な成長を持続している。特に今期は、半導体向け高純度化合物でロジック、メモリ向けともに需要堅調が見込まれる。

 三つ目は、キャッシュリッチ企業としてSANKYO <6417> に注目。同社は3日、19年3月期の連結利益予想の上方修正を発表した。売上高は900億円から880億円(前の期比2.1%増)へ下方修正したものの、営業利益を120億円から210億円(同2.1倍)へ、最終利益を90億円から130億円(同2.3倍)へ増額した。パチンコ機の販売が堅調に推移している上に、引き続き原価低減に積極的に取り組んでおり、粗利益率の改善が進んだ機種が堅調に販売を伸ばした。また、研究開発費をはじめとする販管費の削減にも努めた結果が上方修正に寄与している。なお、同社は年間150円の配当を継続している。

(聞き手・冨田康夫)

<プロフィール>(たべい・よしひこ)
内藤証券シニアアナリスト。株式市況全般、経済マクロの調査・分析だけでなく、自動車、商社、アミューズメント、機械などの業種を担当するリサーチアナリストとして活動。年間200社程度の企業への訪問、電話取材、事業説明会への参加などを通して「足で稼ぐ調査・情報の収集」に軸足を置いている。

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