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富田隆弥の【CHART CLUB】 「盛り上がりに欠ける日本株」


NYダウナスダックなど米国株の堅調が続いている。年初来高値を更新し昨年10月の高値水準に迫る勢いだ。また、中国・上海株も年初の安値から28%も急騰している。それに引き替え、わが日本株。戻り歩調を維持しているものの、売買代金は連日2兆円前後という薄商いで活気が見られず、 日経平均株価は12月安値(1万8948円)から15%ほど上昇したものの、10月高値(2万4448円)からの半値戻し(2万1698円)水準でもたついている(本稿執筆は3月21日)。

◆米中貿易摩擦、中国経済の成長鈍化、業績減益懸念、3月期末、消費増税、万策尽きた日銀など日本株停滞の理由はいろいろ指摘されているが、米国と中国の株価が上昇しているのを踏まえると世界の投資マネーは日本株に関心を抱いていないように思える。

◆売買シェアの7割を占める外国人投資家は、現物ベースで2月から6週連続で売り越し、年初からは計1兆2604億円売り越している(3月8日まで)。先物ベースでは逆に年初から9週連続買い越しで、累計1兆9260億円。差し引き6656億円の買い越しではあるが、売買代金を踏まえても力強さに欠けることは否めず、この先「先物」が売りに転じたらどうなるのか、また米国株が調整に転じたらどうなるのか不安は拭えない。

◆日経平均株価の週足チャートを見ると、昨年10~12月の下落で陰転し、いま一目均衡表の基準線(半値戻り2万1698円)や52週移動平均線(2万1969円)にアヤ戻りという状況だ。「右肩下がり」の流れに変わりなく、アヤ戻りからいつまた下落に転じてもおかしくない状況とも言える。その意味で、12月安値から引く下値抵抗線(現在2万1000円近辺)を注視しておく。理由に係らずそれを割り込むなら再び調整入りに警戒となる。

◆逆に上昇基調に戻すには、2万2000円台に乗せ、12月3日高値2万2698円をクリアしなければならない。それには、日本市場への世界の運用マネー流入が必要だし、米国株が昨年10月高値を突破して最高値を更新する援護も必要となるだろう。

◆今週は3月期末。配当取り(最終権利日3月26日)や期末株価を意識したドレッシング(お化粧買い)が出やすく日経平均の上伸に期待したいところだが、27日に配当落ち(180円ほど)もあり2万2000円を明確に突破するまで無理に期待を抱く必要もない。薄商いの中を小型材料株で遊ぶとか、配当落ち・分割落ちで安くなる村田製作所 <6981> などを攻めるのも悪くないが、無理せず花見に出かけるのも一策だろう。

(3月21日 記、毎週土曜日に更新)

情報提供:富田隆弥のチャートクラブ

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