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注目のニューフェイス目白押し、19年「IPO関連」一挙まとめて大胆予測 <株探トップ特集>


―上場の噂かまびすしいビズリーチ、スマートニュース、そして大物USJは再上場観測も―

 2019年の東京株式市場は、大発会で日経平均株価が2万円を割り込んでスタートするなど波乱の幕開けとなったが、その後は9日まで3連騰。きょう10日は反落したものの、概ね堅調な動きとなっている。もっとも、昨年から続く米中の貿易摩擦問題をはじめ、世界経済を取り巻く情勢には不透明感をもたらす材料が山積しており、一方的に強気な見通しに傾くのは難しい状況といえる。

 こうしたなかでも、注目度が高いのは中小型株、特にIPO銘柄だろう。1月10日現在では、今年のIPO銘柄はまだ発表されていないものの、市場関係者の関心は「今年上場が予定される企業」にも集まりつつある。そこで今回は、市場で噂されているIPO候補企業とその関連銘柄になり得る銘柄を考えてみたい。

●大型案件続出も進む小粒化

 今年のIPO候補企業を考える前に18年を振り返ってみたい。18年のIPOは、17年と同数の90社(TOKYO PRO Marketへの上場を除く)で、うち7割に及ぶ63社がマザーズへの上場だった。

 18年のIPOのうち、資金吸収額が最も大きかった大型IPO案件はもちろんソフトバンク <9434> だが、そのほかにもメルカリ <4385> [東証M]や、ワールド <3612> 、MTG <7806> [東証M]など上場時の資金吸収額が100億円を超える大型のIPOが相次いだ。一方で、資金吸収額が10億円未満の企業も約半数を占め、「19年は18年同様、上場時の資金吸収額が100億円を超える比較的大きな上場案件が増える一方、小規模の案件も増え二極化が進む可能性がある」(中堅証券調査部)との見方もある。

●初値までの上昇率トップはHEROZ

 またIPO人気の高まりを受けて、公開価格から初値までの上昇率が際立って高いものもあり、4月20日に上場したHEROZ <4382> [東証M]は、上場3日目に初値がつき、その上昇率は989%、つまり10.9倍にも及んだ。HEROZほどではないものの、3月28日に上場したアジャイルメディア・ネットワーク <6573> [東証M]は公開価格から5.2倍、4月4日に上場したビープラッツ <4381> [東証M]は同4.5倍となり、IPO銘柄への人気の高さを証明した。

 一方、残念ながら初値が公開価格を大きく下回った銘柄もある。12月21日に上場したポート <7047> [東証M]は、4社が同日に上場するという状況もあって資金が分散した結果、初日はウリ気配のまま値がつかず、2日目に公開価格を37.2%下回る初値をつけた。

●上場観測の強いビズリーチ

 こうした18年を踏まえ、19年はどんな銘柄が登場するのか――。市場で噂されている企業のなかで、上場候補として頻繁に名前が挙がったのは人材サービスのビズリーチ(東京都渋谷区)だ。同社はテレビCMでもおなじみの、“選ばれた人だけのハイクラス転職サイト”と銘打った会員制転職サイトの運営が主な事業。ほかに挑戦する20代の転職サイト「キャリトレ」などもテレビCM効果もあって認知度が高い。

 ここから、関連銘柄としてはリクルートホールディングス <6098> やジェイエイシーリクルートメント <2124> 、キャリアデザインセンター <2410> 、エン・ジャパン <4849> などが挙げられるが、ビズリーチは転職サイト運営だけではなく、応募者の属性や選考状況などを人工知能(AI)が分析し、書類選考を効率化する戦略人事クラウドサービス「HRMOS(ハーモス)」を手掛けていることにも注目。ここからチームスピリット <4397> [東証M]やRPAホールディングス <6572> [東証M]などへも注目の対象が広がりそうだ。

●Sansan、freeeに上場の噂

 またここ数年、名前が挙がっているものの、未上場なのが名刺管理サービスのSansan(東京都渋谷区)とクラウド会計ソフトのfreee(東京都品川区)だろう。上場を急いでいないといわれている両社だが、噂は絶えない。

 テレビCMでもおなじみのSansanは、クラウド型の名刺管理システムを提供。導入企業は個々の社員が持つ名刺情報を全員で共有できる。類似したサービスのなかでも同社のシェアは約8割といわれており、導入企業は7000社に及ぶ。

 同社には、これまでにスパークス・グループ <8739> [JQ]が運営する未来創生ファンドが出資しているほか、サイバーエージェント <4751> 、GMOインターネット <9449> 系やリクルート系のファンドも出資しており、仮に上場となれば出資先企業が注目されそう。また、名刺管理サービスを手掛けるウォンテッドリー <3991> [東証M]やアイネット <9600> なども関連銘柄になろう。

 一方、freeeが提供するクラウド会計ソフトは、専門知識がなくても簡単に会計や労務管理ができるのが特徴で、利用者は中小企業や個人事業主を中心に100万事業所を超えている。同社の佐々木大輔社長はビジネス誌の起業家特集などでは常連であり、会社としての知名度も高い。

 同社にはLINE <3938> などが出資している点が注目されるが、これと並んで、クラウド会計ソフトで同社と競合するマネーフォワード <3994> [東証M]も関心を集めそうだ。

●スマートニュースなどの名も挙がる

 Sansanやfreee同様にここ数年、上場間近といわれているのが、転職サイト運営のマイナビ(東京都千代田区)やクラウドソーシング大手のランサーズ(東京都渋谷区)、レシピ動画サービス「kurashiru(クラシル)」を運営するdely(東京都品川区)、ニュースアプリを運営するスマートニュース(東京都渋谷区)などだ。

 マイナビ上場では、前述の転職サイト関連のほか、グループにIT関連の雑誌・書籍の発行を行うマイナビ出版を擁することからインプレスホールディングス <9479> やカドカワ <9468> なども注目されそう。また、ランサーズに関連してはクラウドワークス <3900> [東証M]が、delyに関してはクックパッド <2193> がそれぞれ類似企業として挙げられる。

 更に、スマートニュースに関連しては、類似企業として「NewsPicks」を展開するユーザベース <3966> [東証M]、ニュースなどの配信に加えてクーポンの掲載も行うGunosy <6047> などへの関心が高まることになろう。

●USJ、ワークスAPには再上場の可能性

 再上場の可能性がある企業として注目されるのが、テーマパーク「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」の運営を行い、07年3月から09年9月までマザーズ市場に上場していたユー・エス・ジェイ(USJ)と、大手企業向けERPパッケージの「HUE」「COMPANY」を手掛け、01年12月から11年6月までジャスダック市場に上場していたワークスアプリケーションズ(東京都港区)だ。

 15年9月に米ケーブルテレビ大手コムキャスト傘下入り後に一度は再上場が先送りになったUSJだが、集客力強化のためには継続して施設の拡充を図る必要があり、資金需要から再上場の可能性が指摘されている。上場となれば、テーマパークを運営するオリエンタルランド <4661> やサンリオ <8136> などが注目されそうだが、同じ大阪市此花区で25年に万博が開催されることから、大阪万博関連に関心が波及することも考えられる。

 一方、ワークスアプリケーションズに関しては、競合する日本オラクル <4716> のほか、オロ <3983> やアイ・ピー・エス <4335> [JQ]などが関連銘柄として挙げられる。

 また、再上場ではないものの、16年12月の上場承認後に延期を表明し投資家を落胆させたZMP(東京都文京区)も仮に上場となれば注目を集めそうだ。

●ストライプインターナショナルにはIRページも

 このほかにも、「earth music&ecology」などを展開するアパレル会社のストライプインターナショナルや高度道路交通システムの開発を行うゼロ・サム(京都市下京区)は、ホームページにIRページを設けており、上場準備を進めているとの観測がある。

 更に、人工のクモの糸から繊維などを作る素材ベンチャーのスパイバー(山形県鶴岡市)、寝具のエアウィーヴ(東京都中央区)、スマートフォンゲームやカードゲーム開発のブシロード(東京都中野区)、AIベンチャーのプリファードネットワークス(東京都千代田区)、Webマーケティングや子供向けプログラミング教室事業を展開するミスターフュージョン(東京都港区)、石灰石を原料とする新素材であるLIMEX製品の開発・製造・販売を行うTBM(東京都中央区)などの上場に関する観測もあり、今から関連銘柄を探しておきたい。

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