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富田隆弥の【CHART CLUB】 「反転を探る可能性も」


◆世界同時株安も落ち着いたかに思えた11月だが、それも8日まで。その後は再び軟調な展開となっている。「イイとこ取り」で上昇してきた今年の株式市場だが、10月の急落で雰囲気は明らかに変わった。下げに転じると需給が悪化し、懸念要因が次々に表れるのが相場。いまは、まだそういった地合いにあると言える。

◆チャート的にも10月の下落を「一段下げ」として、この先「二段下げ」への警戒が怠れない。ただし、年末商戦が話題となる11月下旬から12月上旬にかけては上昇しやすいアノマリー(経験則)がある。11月末のG20に合わせて米中首脳会談が予定されており、今年もアノマリー通りの展開になる可能性もある。23日の米ブラックフライデー(年末商戦)を控え、今週は反転できるかが焦点になろう。

◆証券各社のリポートを見ると、EPS(1株利益)やPER(株価収益率)を背景に「下値限定、年末高に向かう」とする強気観測がある一方、最近は珍しく慎重なものも増えてきた。中国景気の減速、米中貿易摩擦、iPhone減産、FANG株の下落、DRAM価格の下落、12日続落の原油(WTI)、そして来年の景気減速&収益の鈍化と、相場の軟調に伴いさまざまな懸念要因が浮上してくる。それだけに、いま市場には「売り」が溜まっているという解釈もできる。

日経平均株価は10月末の2万1000円処で底打ちしており、二点底としてその水準まで下値を探る可能性はあるが、現段階ではボリンジャーバンドの「-1σ(2万1600円)」近辺で下げ渋っている。25日移動平均線と200日移動平均線、ネックラインの重なる2万2500円処で頭を叩かれた流れは芳しくないものの、11月8日高値(2万2583円)から日足で8~9本を数える今週は反転を探るタイミングでもある。コツンとうまく反転できるなら、2万2500円処の節突破を目指すだろう。

◆先行き「二段下げ」への警戒は怠れないが、12月上旬にかけて目先戻りを試す可能性はある。紅白歌合戦の出場歌手が発表されたが、師走、ボーナス、ソフトバンクの上場(12月19日)、クリスマスと投資家の心も弾みやすくなる。ボラティリティ(変動率)が高止まっており荒い値動きが続くと見られるが、短期と中長期を踏まえて機敏な対応を心がけたい。

(11月15日 記、毎週土曜日に更新)

情報提供:富田隆弥のチャートクラブ

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