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ドーン<2303>快進撃するクラウド型サービス「NET119 緊急通報システム」を武器に安定成長見込み


ラジオNIKKEIマーケットプレスの『フィスコ presents 注目企業調査レポート』3月2日放送において、ドーン <2303>を取り上げている。主な内容は以下の通り。
(話し手:フィスコリサーチレポーター 三井 智映子)

Q、本日ご紹介いただく銘柄は。
今日は2銘柄紹介します。最初に紹介するのは証券コード<2303>東証ジャスダック・スタンダード上場のドーンです。

Q、どういった会社でしょうか。
ドーン<2303>は、地理情報システム(GIS)を活用したシステムの開発・販売を行う企業です。中央省庁や地方自治体、電力会社などでの採用実績が多く、信頼性の要求されるシステムに定評があります。GISエンジンソフトのライセンス販売や受託開発を長年にわたり事業の柱としてきましたが、近年はクラウド型サービスで業績を伸ばしています。

Q、ドーンについての注目点はどこですか。
ドーンの近年の成長の原動力となっているクラウド型サービス「NET119 緊急通報システム」に注目しています。このサービスは聴覚や発話に障がいのある方のためのシステムで、スマートフォン・携帯電話のインターネット接続機能を利用して、簡単に素早く 119 番通報ができるというものです。急病やケガ、地震災害や火災などの緊急時に、自宅からの通報はもちろん、GPS 機能を利用しているため外出先からも通報でき、受信側はすぐに居場所を特定できます。 操作性の良さやシステムとしての信頼性の高さが評価され、神戸市や川口市などを皮切りに導入が進み、2015 年12 月には東京消防庁、2016年10月には大阪市消防局で稼働が開始。全国の自治体への横展開に弾みがついている状態です。2016年11月現在、当システムが導入されている消防の管轄人口は約3,500万人に上ります。このシステムはクラウド型サービスのため、顧客である自治体にとっては自前で運営する場合と比較してコストが安く、運営の手間もかからないというメリットもあります。

Q、足元の業績はいかがでしょう。
2017年5月期第2四半期の売上高は283百万円(前年同期比1.8%減)、営業利益7百万円(前年同期比66.0%減)と減収減益の決算となりました。売上高に関しては、防災関連のクラウド利用料収入は増加したものの、納期が第 3 四半期以降になる受託開発案件が多かったことから微減。利益減に関しては、成長のための人員投入や支払手数料等により販管費が増加したことが一因となっています。

Q、今後の業績の見通しはどうですか
2017 年 5 月期通期の業績予想は、売上高で前期比 6.2%増の800百万円、営業利益で前期比20.4%増の130百万円と期初公表値を据え置いています。通年売上予想に対する上半期の進捗率は 35.5% ですが、最大のセグメントである受託開発の下期偏重は毎年の傾向で、足元の納品も順調に進捗しています。

Q、今後の事業戦略についても教えてください。
中長期の成長戦略としてAED 活用促進による救命システムの実証実験の本格化が挙げられます。2016年10月に京都大学と「AED活用促進による院外心停止救命システム」に関する共同研究を開始。この研究は、119 番通報を受けた消防本部があらかじめ登録された救命ボランティアのスマホアプリに駆付け 要請を通知し、近隣にいるボランティアが AED を届けるという仕組みを検証するものです。
突然の心肺停止者は国内で年間7万人発生していますが、その9割がそばに誰かがいるにもかかわらずそのまま亡くなっている状況と言われています。心肺蘇生とAEDによる電気ショックで5割の命が救われると言われていますが、現状AEDの活用率は4%に過ぎません。ドーンが NET119緊急通報システムなどで培ってきた技術・ノウハウを、救命分野に展開することで、救命のスピードアップが期待され、社会的にも意義は大きいと考えます。

Q、株主還元はどうですか
ドーンは、安定的・継続的な株主還元を方針としています。2017年5月期は増収増益を背景に、前期(2016 年 5 月期) と同レベルの年間3.5円、配当性向12.0%を予想します。

ラジオNIKKEI マーケットプレス
「フィスコ presents注目企業調査レポート」毎週月・木曜14:30~14:45放送

《SF》

 提供:フィスコ

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