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清水洋介氏【夏相場、注目すべきラリー期待株】(2) <相場観特集>


 株式市場では、英国の欧州連合(EU)離脱決定に伴う波乱展開からひとまず立ち直ったかに見える。しかし、不安定な為替相場を横目に予断は許さない状況には変わりない。年初からここまで投資家にとってはかなり向かい風の強い環境にあったが、果たして今後風向きは変わるのか。2016年の折り返し地点に立ったところで、改めて夏相場の見通しと注目銘柄について市場関係者に意見を求めた。

●「優待権利取りや猛暑関連株に注目」

清水洋介氏(Argo Navis フィナンシャルコンシェルジュ)

 英国によるEU離脱(Brexit)の影響は、ほぼ一巡したとみている。少なくとも英国は2年間はEUに居続ける。すぐに、何かが大きく変わるというわけではなく、日経平均株価が英国国民投票の結果を受けて一時1万5000円台割れまで売られたのは、下げ過ぎだったと言えるだろう。

 ただ、一方で日経平均株価は英国民投票の実施前に残留期待で1万6000円を超える水準まで買われていた。この水準を回復するには、新たな材料が必要だろう。具体的には、「米国は利上げが可能な状態となりドル高・円安が進む」、「日銀が追加緩和に踏み切る」、あるいは「今月下旬からの決算発表で為替の円高の影響はあまりなかった」などの結果が求められると思う。その意味でも、今週末の米雇用統計などの結果などが注目されるが、今後1カ月程度を視野に入れた場合、当面は1万6000円台からの上値は重く、1万5000円後半~1万6000円前後での横ばい基調を想定している。

 個別では、「7~8月に株主優待などの権利取りの時期を迎える銘柄」や夏場の「猛暑関連銘柄」などに投資妙味があるとみている。8月には、百貨店やスーパーなどに決算期を迎える企業が多く、松屋 <8237> や高島屋 <8233> 、イオン <8267> など。それにモロゾフ <2217> や鳥貴族 <3193> なども投資妙味があると思う。

 また、猛暑関連では飲料絡みのダイドードリンコ <2590> や、キリンホールディングス <2503> 、サッポロホールディングス <2501> などに注目したい。

(聞き手・岡里英幸)

<プロフィール>(しみず・ようすけ)
大手証券会社に入社後、外資系証券会社、外資系オンライン証券会社などを経て、証券アナリスト、テクニカル分析の第一人者として、「チャートの先生」「ストラテジスト」の役割でテレビのレギュラー出演や・雑誌の連載などで活躍。現役ディーラーとしても日々相場と対峙している。10年以上続いているメールマガジン「日々是相場」や投資に関しての講演などを行っている。2014年5月株式スクール開校、証券投資の本質、株式投資の楽しさを啓蒙している。

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