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富田隆弥の【CHART CLUB】 「ポイントになりやすい7月第一週」


◆「英国ショック」で世界マーケットは6月27日まで大きく荒れた。だが、地球を一回り、二回りして落ち着くと、その後は大きく反発を見せている。24日に一時1374円下げた日経平均株価は66%戻し、2日間で870ドル下げたNYダウは90%、独DAXは42%戻している(いずれも30日現在)。驚きは波乱の元凶である英国FTで、ショック安をすべて取り戻して一気に年初来高値を更新(高値9692ポイント)している。

◆日米欧の政府・金融当局が密に連絡を取り「もしも」に備えていたほか、当のイギリスは銀行へ資金供給し、追加緩和を示唆したことが好感された。そして、前回に触れたが如く、売り方が「買い戻している」ことも大きい。

◆日本では日銀のETF買いや年金マネーが買い支えに動いたが、堅調な戻りを見て政府とマーケット関係者は「安堵」したに違いない。日本は7月10日に「参院選」を控え、証券界はボーナス資金の獲得を目論んでいただけに、早急の戻しを望んでいたはずだ。だが、これで「安心、もう大丈夫」と言えるかは疑問だ。

◆買い戻しも地球を二回りすれば「一巡感」を漂わせる。日経平均の日足は1万6100円台にある25日移動平均線が戻りのポイントだが、30日に4日続伸でサイコロが警戒ゾーンとなる9勝3敗(75%)を示現しており、そこまで戻せるかどうか。

◆一方、裁定買い残が8800億円まで大きく整理進展し、先物の買い余力が膨らんできた点は注目され、NYや欧州株の上昇は先物の支援にもなる。そうであれば、先物主導で「25日線」突破がないとは言えない。25日線を突破するなら「好転」としてスタンスも変更すべきだが、それを確認するまではまだ「調整基調」が続くので、「慎重」姿勢を続けておくのが基本だろう。

◆アメリカは7月4日が独立記念日で3連休。7月8日が雇用統計、日本も8日がSQで、その前の水曜日(6日)が変化日と、7月第一週は何かとポイントになりやすく、戻りを見せている相場は「頭打ち」リスクに要注意となろう。そして、チャートは「08年リーマン前」と似ていること忘れてはならない。

(6月30日 記、毎週土曜日10時に更新)

情報提供:富田隆弥のチャートクラブ

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