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【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(2):トヨタ、三菱UFJ、凸版印刷

トヨタ <日足> 「株探」多機能チャートより
■MCJ <6670>  751円  +29 円 (+4.0%)  本日終値
 MCJ<6670>が反発。きょう午後1時ごろ、子会社のマウスコンピューターが製造・販売するWindows10 Mobileを標準搭載したスマートフォン「MADOSMA Q501A」を北國銀行<8363>が全行員に導入すると発表し、業績への貢献が期待されている。同行では、2016年度末までに最新のWindows10環境に一新するとしており、セキュリティーや管理性の高さ、Microsoft Officeなどのアプリ連携による生産性の向上が実現できるということから、日々の業務で利用するスマートフォンとしてマウスコンピューターの製品が採用された。

■トヨタ自動車 <7203>  6,147円  +236 円 (+4.0%)  本日終値
 急激な円安進行を受け、トヨタ自動車 <7203> 、マツダ <7261> 、富士重 <7270> など自動車株や、日立 <6501> 、オムロン <6645> 、村田製 <6981> など電機株といった輸出関連株が軒並み大幅高となった。前週末にイエレンFRB議長が講演で「この数ヵ月で追加利上げへの説得力が強まっている」と発言。具体的な時期には振れなかったものの、9月の利上げを排除しなかったことで利上げが意識され、ドル円相場が1ドル=102円台前半まで急激に円安が進んでおり、円安による収益改善を期待する買いが輸出関連株に向かった。

■ケーヒン <7251>  1,556円  +58 円 (+3.9%)  本日終値
 ケーヒン<7251>が反発。ジャクソンホールでのイエレン発言を受けてドル安・円高の動きとなり、自動車メーカーに買いが集まっているが、その延長線上で自動車部品株にも物色の矛先が向いている。同社株は8月18日以降、売り物がかさみ下に放れた格好となっていたが、足もとは安値を拾う動きが顕在化し、25日移動平均線とのマイナスカイ離修正の動きにある。ホンダ<7267>系部品メーカーで、燃料直噴システムで好調な需要を取り込む。また、世界的な排ガス規制を背景としたエコカー需要に対応し、ハイブリッド車向け製品を充実、中核部品の内製化を推進するなどで一貫生産体制も確立している。円高デメリットはあるもののPBR0.7倍台、配当利回り2.5%前後の時価は割安感もある。

■デクセリアルズ <4980>  869円  +27 円 (+3.2%)  本日終値
 デクセリアルズ<4980>が3日ぶり反発。三菱UFJモルガン・スタンレー証券が26日付で投資判断「ニュートラル」を継続しつつ、目標株価を800円から880円へ引き上げたことが手掛かり材料視されている。比較対象会社群の株価上昇を考慮したという。ただ、中小型フラットパネルディスプレー向け光学弾性樹脂(ハイブリッドSVR)や異方性導電フィルム(ACF)といった主力製品が思ったよりも苦戦していることから、17年3月期営業利益予想は35億円から32億円へ、18円3月期は同55億円から52億円へ下方修正している。

■三菱UFJ <8306>  535.3円  +16.6 円 (+3.2%)  本日終値
 三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>、三井住友フィナンシャルグループ<8316>、みずほフィナンシャルグループ<8411>などメガバンクが買い優勢の展開。ジャクソンホール経済シンポジウムの討論会で、日銀の黒田総裁はマイナス金利を深掘りする可能性を示唆する発言をみせたが、これを嫌気する動きは限定的となっている。市場では「きょうは全体相場のリスクオンの流れも幸いしたが、黒田発言については既に(メガバンクは)免疫ができている。ジャクソンホールでマイナス金利政策についてネガティブな見解を示すわけもなく、かといって今後積極的にマイナス金利幅を広げていこうという意思を示しているわけでもない。こうしたなかで、三菱UFJは9月適用分の住宅ローン金利を一部引き上げると発表するなど我が道を行く展開で、したたかさをみせている。住宅ローンは新規はともかく、借り換え需要が高水準で少々の引き上げてもニーズは落ちない」(準大手証券ストラテジスト)と銀行株の上昇に肯定的だ。また、28日閉幕した第6回アフリカ開発会議では、安倍首相は共同記者会見で、日本が官民を挙げてアフリカ主導の発展を支援することを表明した。これについても「三井住友フィナンシャルグループが融資案件の掘り起こしに動くことが報じられるなど、メガバンクのアフリカでのビジネス展開強化に期待する買いも反映されているのでは」(同)としていた。

■凸版印刷 <7911>  914円  +25 円 (+2.8%)  本日終値
 凸版印刷<7911>が反発。この日、双方向のデジタルサイネージ技術を高級家具調テーブルに組み込んだ一体型サイネージ「コミュニケーションテーブル」の本格的販売を9月から開始すると発表しており、業績への貢献を期待した買いが入っているようだ。新システム「コミュニケーションテーブル」は、三菱地所ホーム(東京都港区)の瀬田ホームギャラリー(東京都世田谷区)に7月2日にオープンした、システム設計住宅「WIZE-H(ワイズエイチ)」のモデルハウスに採用。水平配置した46インチのタッチパネルディスプレーを中心に、テレビやプロジェクターなどさまざまなデバイスに情報を表示させて、モデルハウスの来場者への新しいビジュアルプレゼンテーションシステムとして使われているという。

■大阪チタ <5726>  1,465円  +36 円 (+2.5%)  本日終値
 大阪チタニウムテクノロジーズ<5726>は4日続伸。日証金が26日、29日約定分から制度信用取引の新規売りおよび買いの現引きに伴う貸借取引の申し込み停止措置を実施すると発表した。ただし、弁済繰り延べ期限の来た買いの現引きは除く。 貸借取引の規制強化に伴って、売買の自由度が制限されるとの見方があるなで、きょうは買いが優勢となっている。

■東レ <3402>  997.8円  +21.7 円 (+2.2%)  本日終値
 東レ<3402>が上げ足を強め一時1000円乗せ、4ケタ大台を地相場とする展開を視野に入れている。ここに来て機関投資家とみられる実需買いが観測され、上値指向が強い。同社が世界トップシェアを誇る炭素繊維は、増産指向にある航空機向け重要が高水準だが、軽量化ニーズが高まる自動車向けや宇宙船向けなどにも新たな需要が創出されており、今後も中期的に業績成長を支える見通し。一方、市場では「スマートフォン向けなど有機EL素材の成長期待に加え、新興国では経済成長に合わせて紙おむつ需要が拡大、同社が手掛ける不織布も収益への貢献が見込まれる」(国内中堅証券)と指摘している。足もと為替市場での円安傾向もポジティブ材料。また、16年4~6月期は売上高こそ伸び悩んだものの、高付加価値商品の伸びが利益採算を向上させており、営業利益段階で410億円と前年同期比2ケタ増益を確保していることも買い安心感につながっている。

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