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【市況】米国株式市場見通し:雇用統計に注目


金融・経済シンポジウムで、イエレンFRB議長は米経済に自信を示したほか、景気後退局面でも金融当局に十分な準備があることを示し、来たる利上げに備えて市場に安心感を与えた。FF金利の先物取引から算出される利上げ確率は9月まで42%、11月まで46%、12月まで63%、16年2月まで65%(26日時点)と年内利上げの可能性が高まっており、2日に発表される8月雇用統計、そして今週以降の金融市場の動向次第では、9月の利上げが受け入れられる展開となるだろう。

月初に入ることから、多くの経済指標の発表が予定されている。7月個人所得・支出(29日)、8月消費者信頼感指数(30日)、8月ADP雇用統計(31日)、8月ISM製造業景況指数(1日)、7月製造業受注指数(2日)、8月雇用統計(2日)などの発表が控えている。雇用統計は、失業率が4.8%への低下、非農業部門雇用者数は18万人増が予想されており、20万人を上回ってくるようであれば、9月の利上げが確実視されることになるだろう。1日には国内新車販売台数の発表が控えている。

9月7日に予定されているアップルの新製品発表イベントが近づくに従って、新型iPhoneや新型アップルウォッチなどへの期待が高まりそうだ。新型iPhoneの発表に併せて日本で広く利用されている非接触ICチップ技術「FeLiCa」に対応する可能性が高まっている。アップルの4-6月期決算では、米国、欧州、中国で売上が前年同期比で鈍化するなか、日本だけは堅調に推移している。FeLiCaが導入されれば日本特有の電子マネーや交通機関での利用が可能になる為、日本での売上を一段と押し上げる要因となりそうだ。

製薬のマイランは急性アレルギー反応の補助治療薬「エピペン」の薬価引き上げに対する批判を受けて、値下げを表明した。医療保険制度改革法(オバマケア)に基づく個人・中小企業向け保険では、高額な自己負担額が設定されている場合が多く、薬価全額を患者が負担する例が増えていることが一因だ。また、薬価高騰については大統領候補のヒラリー・クリントン氏も度々批判しており、オバマケアの維持・拡大を望む同氏が大統領になれば、バイオセクター全体に影響が波及する可能性がある。今後の動向に注意が必要だ。

(Horiko Capital Management LLC)

《FA》

 提供:フィスコ

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