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【特集】【中国の視点】「アベノミクス」は限界か、日本経済に再び「デフレ」の影


日本の安倍政権がデフレ経済を克服するため、3年前から「アベノミクス(大胆な金融緩和、機動的な財政政策、そして民間投資を喚起する成長戦略という3つの柱を基本にした経済対策)」を実施してきている。ただ、この経済対策の効果が薄れてきているといわれている。

海外メディアはこのほど、アベノミクスが実施されてからすでに3年を経過しているものの、企業の設備投資が大幅に伸びていない上、消費家計の節約志向から個人消費の低迷が続いていると指摘。可処分所得の伸び悩んでいることが背景にあると分析されている。

大手総合ディスカウントストアであるドン・キホーテはこのほど、低価格商品の需要増加で2017年6月期の営業利益は4%増の見通しを示した。また、外食大手すかいらーくも一部メニューの価格を引き下げているほか、もっと低価格のランチメニューを投入している。さらに、ニトリも商品の値上げを実施しない方針を示した。

日本経済は今年4-6月期に年率換算で0.2%の成長にとどまり、予想を下回った。また、7月の輸出は14%減、6年9カ月ぶり減少幅を記録。最近の株価低迷や輸出減を受け、高額商品の販売伸びが今年に入ってから鈍化しているとも報告されている。

一方、安倍首相は「日本経済は、デフレ脱却まであと一息というところまで来た」と発言した。

中国の専門家は、アベノミクスに対する期待から株式市場が当初大幅に上昇し、円も記録的な円高から円安に転じていたと指摘。ただ、2014年4月の消費税の引き上げを受け、14年度の実質成長率は前年度のプラス2%からマイナス0.9%まで落ち込み、15年度もプラス0.8%にとどまった。輸出や消費低迷を受け、今年7-9月期も微成長にとどまると予測した。インフラ・公共事業の支出拡大に傾いているアベノミクスについて、日本経済に与える良い刺激は限定的だとの見方を示し、根本的な構造改革がなければ、デフレ脱却は困難だと警告した。
《ZN》

 提供:フィスコ

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