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【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(2):任天堂、東ソー、マブチ、大林組

任天堂 <日足> 「株探」多機能チャートより
■任天堂 <7974>  22,890円  +690 円 (+3.1%)  本日終値
 任天堂<7974>が反発。この日の朝方、米子会社が所有する、メジャーリーグ球団シアトルマリナーズの運営会社ファースト・アベニュー・エンターテインメント(FAE)社の持ち分の一部を売却する交渉を開始したと発表しており、業績への影響を期待した買いが入っている。会社側によると、メジャーリーグベースボール機構の承認を得て、売却が正式に決まったとしており、売却額は6億6100万ドル(約665億円)。なお、同売却が業績に与える影響については、影響額が確定後、必要に応じて開示するとしている。

■東ソー <4042>  631円  +19 円 (+3.1%)  本日終値
 野村証券は化学・繊維セクターのリポートで「中国・アジアの好影響を受けやすい総合化学に注目」としている。特に、自動車や建築用途などを中心にアジア・中国向けの化学・繊維製品の需要が回復している。中国には過剰生産など構造的な問題があり、需要拡大が不透明としているが、「たとえば自動車では減税効果が切れると見込まれる16年12月期にかけて需要が上振れする可能性がある」と指摘。その場合、「7~9月期や10~12月期の化学・繊維企業の業績にプラスとなるだろう」とみている。個別銘柄では、塩ビなど景気敏感製品を持ち、需給悪化懸念の製品が相対的に少ない東ソー<4042>や三井化学<4183>は割安感があり、投資評価は「バイ」とし推奨している。また、三菱ケミカルホールディングス<4188>はMMAの需給改善などの好影響を受ける可能性がある。住友化学<4005>はサウジアラビアの「ぺトロ・ラービグ」プロジェクトの第2期投資の安定稼働やメチオニン市況の改善といった課題がクリアできれば現状より高い評価が可能とみている。両社の投資評価は「ニュートラル」としている。

■マブチモーター <6592>  5,350円  +150 円 (+2.9%)  本日終値
 三菱UFJモルガン・スタンレー証券が19日付でマブチモーター <6592> の投資判断「ニュートラル(中立)」を継続し、目標株価を4600円→5000円に増額したことが買い材料視された。リポートでは、8月5日に発表した通期計画の下方修正について、営業利益の修正幅が7億円と小幅でありポジティブな見方が台頭していると評価。パワーウィンドウモーターの北米への拡販が想定以上に進む一方、積極的なコストダウンも寄与すると報告している。同証券では、16年12月期の連結営業利益を193億円→220億円(会社計画は218億円)、17年12月期を213億円→230億円にそれぞれ上方修正した。

■大林組 <1802>  943円  +26 円 (+2.8%)  本日終値
 8月相場では下値模索の動きを強いられていた大林組<1802>、大成建設<1801>、清水建設<1803>など大手ゼネコンや、西松建設<1820>、戸田建設<1860>、熊谷組<1861>など準大手ゼネコン株が、足もと反発に転じた。東海東京調査センターが19日付でセネコン業界についてまとめたレポートでは、建築中心に利益率の向上を評価する内容となっている。低採算案件がほとんどなくなったこと、2013年頃からの採算重視の受注活動が奏功していること、労務費および資材価格の安定などを完成工事総利益率上昇の要因として挙げている。ゼネコン11社の17年3月期通期の営業利益は大手4社が前期比13%減、準大手7社が同15%減益となっているが、同調査センターでは会社側想定は保守的であり、上方修正の可能性が高いという。第1四半期の決算から判断してその可能性は一段と高まったとしており、大手4社合計が26%増益、準大手7社が22%増益と試算している。

■エムティーアイ <9438>  629円  +16 円 (+2.6%)  本日終値
 エムティーアイ<9438>が3日ぶりに反発。この日正午ごろ、100%子会社メディアーノが、スマートフォンメディア開発運用を手掛けるハロ(東京都渋谷区)から、累計100万ダウンロード超の人気アプリ「もぐたんのダイエット記録」を事業譲受したと発表しており、業績への貢献を期待した買いが入っている。「もぐたんのダイエット記録」は、かわいく、楽しく続けられ、操作も簡単なレコーディングダイエットアプリ。累計ダウンロード数は100万を超えることから、メディアーノがこれまでに培った広告事業のノウハウを同アプリにも生かすことで、メディア広告事業の拡大を目指すとしている。

■SCSK <9719>  3,920円  +80 円 (+2.1%)  本日終値
 SCSK<9719>が反発。19日付で三菱UFJモルガン・スタンレー証券がレーティング「オーバーウエート」継続、目標株価を5550円から5600円へ引き上げた。収益性改善や車載ソフト分野でBSW(Basic Software)がサプライヤーなどに採用され利益成長につながることを指摘。17年3月期を通期連結営業利益で会社側計画と同様の330億円(前期317億8500万円)から337億円へ、18年3月期を375億円から380億円へ引き上げている。

■アイシン精機 <7259>  4,795円  +90 円 (+1.9%)  本日終値
 アイシン精機<7259>が続伸。SMBC日興証券は19日、同社株の目標株価を4700円から5300円に引き上げた。投資評価の「1」は継続した。業績の上方修正期待などを評価している。また、同社は1000万株(発行株式数の3.46%)、500億円を上限に自社株買いを実施しているが、株主還元積極化など株価を意識した経営スタイルへの変化も前向きにみている。同証券では17年3月期の連結営業利益は会社予想1750億円に対して、1900億円への増額修正を予想。日本や米国、中国でAT(自動変速機)需要が増勢基調にある。また、18年3月期は同2100億円への増益を見込んでいる。

■ラオックス <8202>  754円  +9 円 (+1.2%)  本日終値
 ラオックス<8202>が続伸。インバウンド需要の剥落で今期の業績が低調に推移しており、6月中旬以降は下値模索の動きを強めていたが、8月に入り底入れ確認から戻り足を強めてきた。テクニカル的にも5日・25日移動平均線が大底圏でゴールデンクロスを示現、信用取組は売り買いがっぷり四つで信用倍率1.06倍と需給妙味も意識されている。19日、同社子会社のモード・エ・ジャコモを通じて民事再生手続き中のシンエイ(東京・台東区)から婦人靴の企画販売事業を3億8000万円で取得することを発表したことなどが株価上昇の新たな思惑材料となっている。

■富士通 <6702>  517.1円  +5.1 円 (+1.0%)  本日終値
 富士通<6702>が続伸。JPモルガン証券が18日に同社株のレーティングを「ニュートラル」から「オーバーウエート」に引き上げ、目標株価を390円から680円に見直したことが引き続き好感されている。同証券では、同社株のバリュエーションが低位でとどまってきた理由として「ハードウェア事業における低収益性やビジネスモデル変革費用の行方の不鮮明さ」と指摘。ただ、ハードウェア事業はコスト削減が進展しており、ビジネスモデル変革費用の状況に関しても、9月末前後の中期計画発表で新たな進展がある見込みだ。仮に進捗がなかったとしても市場を大きく落胆させることはない、とみている。同証券では17年3月期の連結最終利益を900億円(会社予想850億円)に対し、18年3月期は1390億円、19年3月期は1450億円を見込んでいる。

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