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【市況】米国株式市場見通し:イエレン議長の講演に注目


先週は、複数の連銀総裁が年内の追加利上げに前向きな意見を表明したものの、FOMC議事録でメンバーの中で経済成長、雇用やインフレ率の改善を慎重に見極める必要があるとの認識で合意しており、利上げ時期は不透明なままだ。今週は25日から27日にかけて、ジャクソンホールで金融・経済シンポジウムが開催され、27日にイエレンFRB議長が講演を行う予定だ。同氏の発言から9月の利上げ可能性について何らかの示唆が得られるか注目が集まるだろう。

経済指標では、7月新築住宅販売(23日)、7月中古住宅販売件数(24日)、7月耐久財受注(25日)、4-6月期GDP改定値(26日)などの発表が予定されている。4-6月期GDP改定値の市場予想は前期比1.1%増(年率)と、速報値の1.2%増から僅かに下方修正される見通しとなっている。また先週発表された住宅関連指標が堅調であったことから、今週も住宅関連指標には期待が高まっている。

個別企業では、住宅メーカーのトール・ブラザーズ(23日)、家電量販店のベストバイ(23日)、PCメーカーのHPインク(24日)、宝飾品のティファニー(25日)、ディスカウントストアのダラー・ツリーとダラー・ゼネラル(25日)などの決算発表が予定されている。HPインクはPC・プリンター需要の後退を受けて経費削減を進める意向を示しており、6月には5-7月期の1株利益見通しを引き上げている。新たに参入した3Dプリンター事業にも注目したい。

小売業界では、来月からの新学期を前に各社が「バック・トゥ・スクール」のセールを展開している。全米小売業協会(NRF) による消費者への聞き取り調査によると今年、一家計当たりが同セールにかける予算は758ドルと、昨年の680ドルから増加している。米国の雇用情勢は着実に改善しており、4-6月期GDP速報値では個人消費が堅調に推移していることも示されたことから、年末商戦での業績拡大にも期待が集まるだろう。一方で、オンラインによる購買活動が昨年比で大幅に増加しており、4-6月期決算でも明暗が別れるなど、店舗型小売店がアマゾンによって淘汰される懸念が強まっている。

(Horiko Capital Management LLC)

《FA》

 提供:フィスコ

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