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【市況】富田隆弥の【CHART CLUB】 「もみ合い圏、放れ足に従う」

株式評論家 富田隆弥

◆さすがにお盆期間の商いは細ったが、日経平均株価は12日に1万6943円を付けるなど堅調だった。為替が円高に振れても、NYダウが調整を入れても、日銀の猛烈なETF買いを背景に「深押しはない」との観測が広まった。16日に273円安の1万6596円と下げても慌てる雰囲気はなく、翌17日の反発(149円高)でその観測はさらに厚みを増した。だが、皆の見方が片寄るときは要注意でもある。

◆18日の日経平均は259円安の1万6486円引けで、25日移動平均線(1万6561円)を割り込むが、まだ75日線(1万6327円)や26週線(1万6421円)の上で推移しており、上向きの流れに変わりはない。1万6300円台を下値に切り返すなら200日線や52週線の1万7180円~1万7300円を目指す可能性は十分にある。4734億円と裁定買い残が大きく整理を進めており、同時株高となれば先物主導でさらなる上値模索も可能だろう。

◆ただし、 TOPIXを見ると4月25日高値1412ポイントから5月1380、7月1347と上値を切り下げ、6月24日安値1192ポイントから引く下値抵抗線に挟まれた「三角保ち合い」にあり、上向きと言える状況ではない。

◆また先物は、12日に1万6930円の高値を付けるが、7月21日高値1万6930円に肩を並べたところで、今後の推移によっては「ダブルトップ」懸念が燻る。そして為替(ドル円)は100円処となり、当局が維持させたいポイントにきているが、日足は右カタ下がりを続けていて6月24日に付けた99.09円を試す構えにある。

◆こうしたことからチャートでは下値ポイントに注意を払っておかねばならない。日経平均は75日線と下値抵抗線の重なる「1万6300円」が、TOPIXは「8月4日安値1262」割れが注意ポイントだが、それを割り込むことあれば9月秋相場に暗雲が漂うことになる。米雇用統計、メジャーSQ、日銀決定会合にFOMCと9月相場は重要イベントが目白押しで、材料はいくらでもあとから付いてくる。こうしたところではチャートの「流れに従う」ことを忘れないでおきたい。

(8月18日 記、毎週土曜日10時に更新)

情報提供:富田隆弥のチャートクラブ


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