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【市況】後場に注目すべき3つのポイント~強弱感が対立しやすい水準

ドル円 <日足> 「株探」多機能チャートより

25日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。

・強弱感が対立しやすい水準
・ドル・円は106円40銭付近、ドルは昇一服、日銀緩和への期待感は継続
・ツバキ・ナカシマ、エスフーズなど3社のレーティング格上げ



■強弱感が対立しやすい水準

日経平均は反発。63.35円高の16690.60円(出来高概算8億9000万株)で前場の取引を終えた。22日の米国市場の上昇のほか、為替市場では1ドル106円50銭辺りと円安に振れている流れを受けて、日経平均は反発して始まった。その後も上げ幅を広げており、前場半ばには一時16700円を回復する場面もみせている。

東証1部の騰落銘柄は、値上がり数が1300を超えており、全体の6割を占めている。規模別し指数は大型、中型、小型株指数いずれも上昇しているが、大型株指数は小幅な上昇にとどまっている。セクターではパルプ紙、金属製品、電力ガス、ゴム製品、倉庫運輸、証券、不動産、保険が上昇。半面、その他製品が7%超の下落となっているほか、情報通信、海運、石油石炭、食料品、銀行が小安い。

売買代金トップの任天堂<7974>は17%超の下落となるなか、「ポケモノミクス」関連の一角が利益確定に押されている。その他、ソフトバンクグ<9984>、メガバンク3行が冴えない。一方で、トヨタ自<7203>、ハピネット<7552>、SOSEI<4565>、日本電産<6594>、ファーストリテ<9983>、キーエンス<6861>が堅調に推移している。任天堂がストップ安寸前まで下げているが、ストップで張り付かない状況がみられれば、他の利食いに押されている関連銘柄への、押し目買いの動きが出てくる可能性はありそうだ。

また、日経平均は5日線処での攻防をみせている。価格帯別出来高で商いが膨れているところであり、強弱感が対立しやすい。円安が安心感につながろうが、日銀会合の結果等を見極めたいとする模様眺めムードも高まりやすく、16700円処でのこう着が続きそうである。


(株式部長 村瀬智一)



■ドル・円は106円40銭付近、ドルは昇一服、日銀緩和への期待感は継続

25日午前の東京外為市場では、ドル・円は106円前半から後半まで値を上げたが、昼にかけて上昇は一服した。ただ、日銀による追加金融緩和への期待は継続した。週明け東京市場では、ドル・円は106円20銭付近で寄り付いた後、日経平均株価の堅調地合いを受け、一時106円72銭まで買われた。その後は日経平均の上げ幅縮小に伴い、ドルの上昇は一服。106円半ばでのもみあいが続いた。

日銀の追加金融緩和への期待で円売り基調は続いており、ドルは目先107円を目指す展開となりそうだ。ただ、ランチタイムの日経平均先物は伸び悩んでいるため、ドルは午後の取引で上値の重い展開を予想する。

なお、週末に中国で開かれた20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議では、英国の欧州連合(EU)離脱で世界経済の混乱を避けるため、各国が連携していく方針を打ち出した。また、世界経済の不確実性が高まるなか、政策を総動員して対応し、為替問題では引き続き通貨の競争的な切り下げを回避することで一致した。

12時28分時点のドル・円は106円40銭、ユーロ・円は116円73銭、ポンド・円は139円61銭、豪ドル・円は79円51銭で推移している。


(為替・債券アナリスト 吉池威)



■後場のチェック銘柄


・ツバキ・ナカシマ<6464>、エスフーズ<2292>など3社のレーティング格上げ
・値上がり寄与トップはファーストリテ<9983>、2位ファナック<6954>、2銘柄で日経平均を約27円押し上げ

・麻生財務相
「G20は為替安定の重要性について共有した」
「為替市場の過度な変動や無秩序な動きは経済に悪影響」

・黒田日銀総裁
「G20でヘリコプターマネーについて議論はまったくなかった」
「展望リポートに政府経済対策の効果も織り込む」


・AppBank<6177>、イマジカロボ<6879>、サノヤスHD<7022>などがストップ安
※一時ストップ高・安(気配値)を含みます


☆後場の注目スケジュール☆


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・特になし


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・特になし

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 提供:フィスコ

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